神聖な「お火焚祭」(源九郎稲荷神社復興物語 第97話)

今回の登場人物
源九郎とよ
源九郎とよ
源九郎とよ(本名土井美苗):復興活動物語のボランティアチームスタッフ代表。この当時は警察官をしておりました。当時は本名を隠してペンネームの「源九郎とよ」で活躍しておりました。
中川おじちゃん
中川おじちゃん
語り部「中川のおじちゃん」:源九郎とよと一緒に神社の復興活動をスタートさせることとなる神社の総代さん。今では神社の「語り部氏」として、雑誌やテレビなどにも取り上げられる神社の顔。陽気で優しくてダンディーな人で、とよが第二の父と仰ぐ存在。
中川おばちゃん
中川おばちゃん
中川のおばちゃん:語り部氏の奥様。神社の境内で四季折々のお花を育てているお花の守人。陽気で優しくて、笑っているところしか見たことがない朗らかな人
知足山玄明院岩岸住職
知足山玄明院岩岸住職
知足山玄明院の岩岸住職:世界遺産の吉野山金峯山寺の阿闍梨であり、自坊である玄明院の住職さん。神社復興活動の開始当時から、宮司のいない神社に足しげく通って神様を拝み続けてくださった修験僧、今回は2回目のお火焚祭を執り行ってくださいました

 

語り部中川氏の念願だった「お火焚祭」の開催

 

語り部の中川のおじちゃんは、生まれた時から源九郎稲荷神社がある大和郡山市洞泉寺町で生まれ育ちました。

中川のおじちゃんが成長する過程で、源九郎稲荷神社では秋になると毎年「お火焚祭」が開催されていたそうです。

 

お火焚祭とは

『お火焚祭』とは、『おひたきさい』と読み、旧暦の11月18日に主に京都の神社で秋の収穫、五穀豊穣に感謝するため、また、厄除け、家内安全、商売繁盛などのために社前に井桁に組んだ護摩木(火焚串)を火床に入れて焚き上げる火祭りのことです。

 

それが、いつの頃からか開催されなくなり、とても寂しく感じていたそうです。

 

この話を、源九郎稲荷神社をサポートしてくださっている、知足山玄明院の岩岸住職が中川さんから聞いて

知足山玄明院岩岸住職
知足山玄明院岩岸住職
おじちゃん!復活させようよ!!
僕がやりますよ~

と言ってくれたことから、2012年の秋に開催しようと予定していたのです。

 

岩岸住職は、世界遺産吉野山の修験宗総本山である金峯山寺の阿闍梨さんでもあります。

修験僧は神仏のどちらもお祭りすることができる特別なお坊さん達です。

なので、お火焚祭も執り行うことができるのです。

 

そして、開催にあたっては中川のおじちゃんから

中川おじちゃん
中川おじちゃん
どやろ? どうせなら町の人大勢に来てもらいたいから、はならーとのイベントが開催される日に合わせてしてもらえんかな?

夜にお火焚祭の火が舞い上がる光景を、わしは是非見ていたいから、できたら今回は夜にしてもらえんやろか?

というお願いがありました。

 

ということで、第1回目のお火焚祭は、特別祈祷ということで夜に行われることになりました。

そして、コンテンポラリーダンスが終わった後の午後6時30分から、ダンスを観賞された町の皆さんにそのまま参加していただくように回覧板を回すということになりました。

 

まるで源九郎稲荷大神が舞い降りたかのような幻想的な「お火焚祭」

 

2012年11月12日 午後6時30分から、源九郎稲荷神社において火焚祭が斎行されました。

 

コンテンポラリーダンスの後に開催したこともあり、たくさんの人に参加していただきました。

 

午後6時30分・・・
拝殿の明かりが消され、拝殿の前に組まれた護摩壇の火が上がりました。

とても幻想的で、炎の上に神様が舞い降りてきたような気がしました。

 

火焚祭の前に開催されたコンテンポラリーダンスの楽しくにぎやかな雰囲気から、ごろっと境内の空気が変わり・・・
「神聖」「厳か」
な空気が流れだしました。

炎がどんどん大きくなり、まるで生き物のように感じました。

自分の体に染みついた穢れや、煩悩がどんどん焼き尽くされていくような気がしました。

 

夢が叶った中川のおじちゃんは

中川おじちゃん
中川おじちゃん
昔とは比べ物にならないくらい、素晴らしい護摩儀礼ですわ。ありがたいことやな~

と涙ぐんでおられました。

 

大晦日を迎える前に、こんなにすばらしい火焚祭を斎行していただき、神様もさぞお喜びだろうと思います。
増々、神力増幅されることでしょう。

 

お火焚祭の打ち上げを開催

 

源九郎稲荷神社では、神事やイベントをする度に、ささやかな打ち上げを社務所で開催します。

 

いつも、中川のおばちゃんが、料理に腕を振っておもてなしをしてくださいます。

メインスタッフのほかに、毎回新しい参加者が増えていて、だんだんと料理の数読みができなくなってきました。

 

おばちゃんは、毎回

中川おばちゃん
中川おばちゃん
足りるやろか~

と不安になっておりますが、そういいながらも新しい人が加わってくださることがとても嬉しくて、はりきっておられます。

 

この時の「火焚祭」の打ち上げも、たくさんの方が残ってくださって、とても賑やかでした。

 

傾いていつ壊れるかわからない社務所なのに、みんな平気な顔をして座ってくださるので、とてもありがたいです。

みんなで、ワイワイとおしゃべりしながらお酒を酌み交わすこの時間が・・・源九郎とよ大好きです。

 

考えたら、数時間前に知り合ったという人もいるのですから、本当に人の縁って不思議です。

 

ここからまた、新しいつながりが広がっていくのかな~なんて思いながら、楽しそうなみんなの顔を見ていると、3年前にはこの神社が人から忘れ去られた神社であったことが信じられない思いです。

 

源九郎とよ
源九郎とよ
これからも、多くの方に愛される神社であり続けるために、がんばっていきたいと思な~

と思いました。

 

お火焚祭での心温まる2つのお話

 

初めて開催したお火焚まつりでは、源九郎の神様がとても心温まる風景を見せてくださいました。

 

1つ目は、境内の掃除をひとりでする少女のお話

2つ目は。脚が痛くなったおばあちゃんのお話です

 

この2つのお話は、それぞれ「源九郎稲荷神社の日常風景」のページで掲載しておりますので、是非ご覧ください

 

復興活動物語第98話はこちら

 

復興活動物語の目次はこちら

 

 

源九郎稲荷神社復興活動に続く「源九郎とよのバンコクスパ経営奮闘記」

 

源九郎とよ
源九郎とよ
源九郎稲荷神社がある程度復興して、多くの方が参拝に来てくださるようになった2014年、とよはある決意をします。

 

それまで勤めていた警察を辞めて、タイ、バンコクで新たな挑戦を始めることになったのです。

 

とよが源九郎稲荷神社復興活動チームから離れて、警察同期生だった親友の助けを得ながら異国タイで奮闘するハチャメチャな様子を綴った物語が「元女性警察官(刑事)コンピがバンコクでスパ経営物語」です。

 

なんとか成功してお金を貯めて源九郎稲荷神社の社務所を建て替えるのがとよの夢なのですが、新型コロナウィルスのパンデミックもあり、なかなかすんなりとはいかない状態です。

 

でも、夢をあきらめずにやれるところまで頑張ってみたいと思います。ご興味のある方は、そんな源九郎とよの奮闘状況をご覧ください。 

 

元女性警察官(刑事)コンビのバンコクスパ経営物語