源九郎稲荷神社の狛狐さんのお色直し(源九郎稲荷神社復興物語 第45話)

今回の登場人物

源九郎とよ
源九郎とよ
源九郎とよ(本名土井美苗):復興活動物語のボランティアチームスタッフ代表。 この当時は警察官をしておりました。 当時は本名を隠してペンネームの「源九郎とよ」で活躍しておりました。

中川おじちゃん
中川おじちゃん
語り部「中川のおじちゃん」:源九郎とよと一緒に神社の復興活動をスタートさせることとなる神社の総代さん。 今では神社の「語り部氏」として、雑誌やテレビなどにも取り上げられる神社の顔。 陽気で優しくてダンディーな人で、とよが第二の父と仰ぐ存在。

中川おばちゃん
中川おばちゃん
中川のおばちゃん:語り部氏の奥様。 神社の境内で四季折々のお花を育てているお花の守人。 陽気で優しくて、笑っているところしか見たことがない朗らかな人

 

前回は・・・・
自称「蛇女」と名乗る女性との強烈な出会いと、彼女がお金をだしてくださって社殿の朱色を塗り替えてくださったお話と、
そんなすばしいことをしてくださる彼女なのに、「静守大神」と書かれた扁額をゴミの中に捨てられるという驚くべき行動を取られたことについてご紹介しました。

 

前回の記事はこちら

 

 

巻物を咥えた「うん」の狛狐さん

 

珠を咥えた「あ」の狛狐さん

 

子供達も大好きな狐さん達です。
この二匹の狐さんは体格もよく、とても頼もしいお姿をしています。

 

神殿をお守りする二匹の白狐さんの災難

 

そして・・・・
源九郎さんにはもう二匹・・・・狐さんがいます。

 

ご神殿を守っている白狐さんです。

 

実はこの狐さん達は、大変な災難に遭われてています。

 

源九郎とよ達が掃除を始めた頃、神社と洞泉寺というお寺の間に、民家が建っていました。

 

そこに1軒が、猫をたくさん飼っていて、源九郎稲荷神社の境内は、猫ちゃん達の遊び場になっていました。

 

そのため、境内には猫の糞が沢山落ちており、猫ちゃん達には可哀想だけど彼らが遊びに来るたびに、とよ達は追い出していました。

 

ところが、猫さん達はお構いなしです。

 

酷い時は、神殿の階段のところに座っていました。

 

源九郎とよ
源九郎とよ
狐と猫って相性がいいんだろうか?

 

等、余計なことを考えながらも、とにかく猫さん達が現れたら追い出すという、イタチごっこを繰り広げていました。

 

そんなある日、神殿を守る右側の狐さんが階段途中まで落っこちていました。

 

源九郎とよ
源九郎とよ
あらあら、どうされたのですか〰

 

と、側まで駆けつけると・・・

 

大変な事態になっていました!!

 

鼻がもげて、尻尾を骨折されていたのです。

 

中川のおばちゃんに、手芸用の木工ボンドを借りて、応急手当をしましたが、もげた鼻はどうすることもできず、とても可哀想なお顔になってしまいました。

 

さらに、二匹の狐さんの体は汚れて灰色になっていました。

 

なぜかこの時、何かを訴えてこられているような気がしました。

 

狐1
狐1
こんな汚い体は嫌じゃ〰
と言っておられるようで・・・
源九郎とよ
源九郎とよ
やるか!!
と思い立ったとよは、

 

源九郎とよ
源九郎とよ
おじちゃん、神殿の狐さんのお色直ししてもいい? 綺麗な白色に塗り替えてあげたいねんけど

 

と、管理人の語り部氏「中川のおじちゃん」に相談しました。

 

おじちゃんは、

 

中川おじちゃん
中川おじちゃん
どうぞ、どうぞ

 

と二言返事だったので、とよに絵具を買いに走りました。

 

 

なんと!!狐さんのお色直しをしたのは源九郎とよでした~

まずは、灰色に汚れたお体を、白色に塗りました。

 

当時はガラ系の携帯電話で撮影していたので、写真が拡大するとどうしてもぼやけてしまうのですみません。

 

 

 

とても、綺麗な白色に仕上がりました。

 

けれど・・・もともとのお顔が消えてしまったので、上から書き直すしかありません。

 

もとのお顔はといいますと・・・

 

下のポスターは、お稲荷さんばかりを撮影されているフリーカメラマンの大世くんの写真展のポスターです。
塗り直す前の源九郎狐様をポスターに使ってくださいました。

 

この写真でも、かなり汚れていますが、とよが塗り直しをした時は、もっとひどい状態でした。

 

 

大世くんが、撮影すると本当にお稲荷さんが生きているように見えます。

 

大世くんは、イベントがあるときは、必ず顔を出してくださるのですが、とても礼儀正しくて、友好的な好青年です。
私は、彼が撮影するお稲荷さんが大好きです。

 

彼は、いろんなところで写真展をしているので、機会があれば是非見に行ってあげてくださいね。

 

 

2013年の読売新聞で取材を受けておられるのですが、その時も源九郎さんの狐さんを載せてくださっています。

 

 

この源九郎さんの狐さんのもともとのお顔ですが、なんかすっとぼけた感じで、とよはとても好きだったのですが、マジックで眉毛をいたずら書きされていました。

 

これも、いったい誰がしたのでしょうね?

 

元のお顔通りに、復元させるべきだったのですが、とよは・・・白で塗りつぶしてしまう前に、元のお顔の写真を撮っていなかったのです。

 

いったいどんなお顔をされていたのかわからなくりました。

 

とよは行動力はあるけど、段取りができないので本当に馬鹿ですね~

 

中川おじちゃん
中川おじちゃん
う〰ん、仕方がない、こうなったら勝手に顔を書くしかない

 

と決めて、

 

源九郎とよ
源九郎とよ
神社のお狐さんのお顔を、絵師でもなんでもない私が勝手に書くなんて許されるんだろうか
と思いながら、筆の赴くままに書きました。

 

そしたら・・・こんなんになっちゃいました〰

 

鼻はもげたままです。

 

 

歌舞伎風になりました・・・・

 

元のお顔とはずいぶん変わってしまいました・・・
すみませ〰ん。

 

修復師と誤解され写真を沢山撮影された源九郎とよ

 

このお顔になったのには、いささか理由があります。

 

とよが、社務所で狐さんのお色直しをしている時に、どこかの写真クラブの方達がお参りに来られました。

 

そして、先生と思われる人が、生徒さんに

 

写真の先生
写真の先生
みなさん、良いとこに来ました。

 

修復師の方がちょうど狐さんを修復されています。

撮影させていただきましょう

と言っています。

 

源九郎とよ
源九郎とよ
修復師???
えらいことになりました〰

 

「どうですみなさん。この修復師の方の、狐さんを見つめる優しいまなざし。
心から狐さんを大切に思っていらっしゃるのがお顔に出ています。
この表情を撮りましょう!!」

 

とか言ってます。

 

みんな、どんどん私に近づいて来て、とよをドアップで撮影しだしました。

 

源九郎とよ
源九郎とよ
すみません。みなさん。修復師ではありません。
私は警察官です。
警察官なのに皆さんを騙しています!!いや騙していないか?勝手に修復師だと思っているんだから・・・
もう知らない〰!!

 

と、心の中で叫びながら、ただ変な笑顔を皆さんに振りまきながら、狐さんのお顔を書いていました。

 

撮影の方にばかり気を取られていたので、気が付いたら歌舞伎狐になってしまっていたのです。

 

本当に、すみません。

 

元のお顔のとぼけた表情とは、ほど遠い狐さんになってしまいました〰

 

これが、前の状態

 

下がお色直し後の状態

 

ただ、参拝者の皆さんにとても人気のある作家の桜井識子さんが

 

「神さまとコンタクトしてきました」

 

という本の中で、源九郎稲荷神社のことを書いてくださっているのですが、この狐さんのことで、嬉しいことを書いてくださっていました。

 

 

内容は、今手元に本がないので正確な記述を紹介できませんが、

 

神様は、狐さんのお色直しを誰でもいいから頼むわけではなくて、ちゃんと意味のある人に頼みます

 

といったようなことが書かれていたと思います。

 

それを、読んで少し安心しました。

 

因みに、上の写真の神殿の前に飾られている鏡が例のゴミの中から出てきた鏡であり、鏡台が神殿の棚に置かれていたものです。
鏡台は、神社の協力者である大工さんが直してくれました。

 

この二匹の神様は、神殿の扉の前におられるので、近寄って見ていただくことはできませんが、なんとなく穏やかになられたような気がしています。

 

不思議なことに、狐さんのお色直しをしてから、猫ちゃんが神殿の階段に座ることはなくなりました。

 

これは、とても不思議なことです。
(絵具の匂いがいやだったのかな?)

 

物語の続き第46話はこちら

 

復興活動物語の目次はこちら

 

源九郎稲荷神社復興活動に続く「源九郎とよのバンコクスパ経営奮闘記」

 

源九郎とよ
源九郎とよ
源九郎稲荷神社がある程度復興して、多くの方が参拝に来てくださるようになった2014年、とよはある決意をします。

 

それまで勤めていた警察を辞めて、タイ、バンコクで新たな挑戦を始めることになったのです。

とよが源九郎稲荷神社復興活動チームから離れて、警察同期生だった親友の助けを得ながら異国タイで奮闘するハチャメチャな様子を綴った物語が「元女性警察官(刑事)コンピがバンコクでスパ経営物語」です。

 

なんとか成功してお金を貯めて源九郎稲荷神社の社務所を建て替えるのがとよの夢なのですが、新型コロナウィルスのパンデミックもあり、なかなかすんなりとはいかない状態です。

 

でも、夢をあきらめずにやれるところまで頑張ってみたいと思います。ご興味のある方は、そんな源九郎とよの奮闘状況をご覧ください。 

 

元女性警察官(刑事)コンビのバンコクスパ経営物語