今回の登場人物
源九郎とよ(本名土井美苗):復興活動物語のボランティアチームスタッフ代表。 この当時は警察官をしておりました。 当時は本名を隠してペンネームの「源九郎とよ」で活躍しておりました。
語り部「中川のおじちゃん」:源九郎とよと一緒に神社の復興活動をスタートさせることとなる神社の総代さん。 今では神社の「語り部氏」として、雑誌やテレビなどにも取り上げられる神社の顔。 陽気で優しくてダンディーな人で、とよが第二の父と仰ぐ存在。
中川のおばちゃん:語り部氏の奥様。 神社の境内で四季折々のお花を育てているお花の守人。 陽気で優しくて、笑っているところしか見たことがない朗らかな人
かよちゃん:とよの親友。小さな頃から不思議な霊視能力を持っている女性。能力のことは隠しており、普段はホテル等を経営する女性実業家。
かよちゃんの叔父さん:東京の方で、かよちゃんの叔父さん。海外で様々な事業をしており、バイリンガル(英語、北京語、アラブ語を操ります)のかよちゃんが通訳として時々、叔父さんの仕事を手伝っている
さて、狐さんのお色直しの次は、語り部氏の奥様(中川のおばちゃん)と二人で、境内にお花を植えました。
神社の境内のあちらこちらにお花が植えられたことで、神社は一気に明るくなりました。
不思議な夢・・・「三面大黒天を探せ」
お花を植えた日、源九郎とよは不思議な夢を見ました。
白い狐さんが夢に現れて
と言うのです。
それで、ネットで探してみると・・・
「三面大黒天(さんめんだいこくてん)」は、たいへん珍しい大黒天・毘沙門天(びしゃもんてん)・弁才天(べんざいてん)の三天合体の尊像です。
と書かれていました。
とよは、今までのブログでお話ししたとおり、源九郎稲荷神社にかかわるまでは、四天王寺さんと、信貴山朝護孫子寺くらいしかお参りしたことがないという、神仏には無縁だったので、神仏に関する知識もあまり持ち合わせておりませんでした。
なので、三面大黒天という名前は、本当に???の状態だったのです。
とよが唯一良く知っている毘沙門天様は、良くお参りした信貴山奥の院のご本尊であり、源義経が信仰していた仏様だと言われております。
三面大黒天の一柱である毘沙門天さんに関しては、源九郎稲荷神社に関係のある神様であることは想像がつきました。
毘沙門天様は、四天王の一柱でもあり、別名を多門天とも言います。
戦いの神として、源義経の他にも、上杉謙信等多くの武将の守り本尊とされてきました。
では、残り二柱の大黒天様と弁才天様は何か源九郎稲荷神社に関係があるのでしょうか?
大黒天様は、神社にご尽力いただいている玄明院の岩岸住職さんが、一時、ブログを書くときに「大黒行者」というペンネームを使っておられたことから、とても親しみのある仏様ではあります。
インド名を「マーハ―カーラ」といい、人肉を食べていた悪魔の茶吉尼(仏教でのお稲荷さんの別名)を改心させるために大日如来が憤怒の形相をして姿を現したそうです。
財宝をもたらす力が強大であることから、金運の神様、商売の神様として信仰されています。
茶吉尼天を改心させたことから、昔は、稲荷神社には必ず大黒天が一緒に祀られていたそうです。
そして、茶吉尼天がまた悪の道に走らないように監視しているとか・・・
仏教系の稲荷神社は、茶吉尼天様がご神体として祀られてリます。
なので、大黒天様は茶吉尼天様=お稲荷様を監視するということで、源九郎稲荷神社に関わりがあるのかもしれません。
そして、弁才天は、インド名を「サラスワティー」といい、川の神、水の神、そして音楽の神と言われています。
密教では、福徳財宝を授ける神として広く信仰されています。
また、龍神を束ねる神様だとも言われています。
源九郎稲荷神社は、遊郭界の中にあったことから「芸事」にも深く関係する神様だと言われています。
さらに、源九郎狐様は、歌舞伎の演目である「義経千本桜・四ノ切」の主人公でもあり、そこには白拍子の静御前が深く関わっております。
ということは・・・。
音楽の神と言われる弁才天様も、源九郎稲荷神社には関係のある神様だといえます。
ということで、この3柱の神様は、源九郎稲荷神社に深い関わりのある神様なのかもしれません。
それらの神様が合体しているなんて、凄い仏様であることは間違いなさそうです。
また、この三面大黒天は豊臣秀吉さんが、自分の守り本尊として生涯大切にされた仏様だそうです。
大和郡山市は、秀吉さんの弟さんである大納言豊臣秀長が大和郡山城主をされていた国です。
何か関係があるのかな?
しかし・・・・・探せと言われても・・・・
何をどう探したらいいのかわかりません。
不思議な能力を持つかよちゃんの霊視
この不思議な夢を見てから、しばらくして・・・
この奮闘記にも度々登場する、不思議な能力を持つかよちゃんが、東京から来られた叔父さんを伴って源九郎稲荷神社にお参りに来てくれました。
最初は境内のベンチに座ってお茶を頂きながら、和やかな時間を過ごしていたのですが・・・
突然かよちゃんの様子がおかしくなりました。
と言い出し、境内をあっちに行き、こっちに行き、ウロウロしだしたのです。
そして社務所に上がって行くと、まるで何かを探しているような感じで、社務所の中もウロウロしだしたのです。
さらにかよちゃんは、今度は
と呪文のようにつぶやきながら社務所の廊下を行ったり来たりしだしたのです。
これには、私も中川さんも、かよちゃんの叔父さんさんもびっくりしました。
中川のおばちゃんが
かよちゃん大丈夫?
何かに憑りつかれてるみたいで怖いねんけど
と、かよちゃんの豹変した様子にとても怖がっておられした。
いや〰、とよも正直、この時のかよちゃんは怖かったです。
そして、暫くして普通のかよちゃんに戻ると、いつものけろっとした明るさで
なんかな〰、源九郎の神様が三面大黒天を探してって言ってるよ〰
と・・・とよ達に告げたのです。
これには、とよも本当にびっくりして、背筋がぞっーとしました。
先日、とよが夢で源九郎稲荷大神様から言われた言葉と同じだったからです。
そして、この夢の話は、誰にもしていなかったからです。
かよちゃんは、その後ネットで三面大黒天さんについて調べだしました。
数分の間、かよちゃんは真剣にネットで三面大黒天について調べていました。
そして、
と叫ぶと
と言い出したのです。
一同・・・・・・・、????
秀吉が守り神として身につけていた三面大黒天が京都の圓徳院ってお寺に祀られているねんけど、今日がその縁日やねん。
それで、秘仏の三面大黒天を公開してるらしい。
見に行くよ〰
京都?? 嫌だよ〰。
今からいったらもう午後5時頃になるよ〰。
もうお寺閉まってるでしょ。
それがね、今日は特別で夜9時までやってるの〰。
夕食ご馳走しますから、お付き合いお願いしますよ〰
ということで、とよも東京のおじさんも、この後かよちゃんに強引に京都に連れて行かれることなったのです。
なんか、わけがわかんないけど、とりあえず行ってきますわ~
と中川のおばちゃんに告げて、とよ達は源九郎稲荷神社を後にしました。
京都・圓徳院の秘仏「三面大黒天」公開
そして、三面大黒天の秘仏を公開している圓徳院に着いたのは、午後6時頃になっていました。
かよちゃんは大学生のとき、京都でボランティア観光ガイドをしていたので、京都の地理と歴史にはとても詳しく、圓徳院には迷わず到着することができました。
お庭がライトアップされてとても綺麗でした。
そして、秘仏の三面大黒天様を拝見させていただきましたが、とても小さくて可愛らしいお姿をしておられました。
体は大黒天様で、大黒天様のお顔の左右に、毘沙門天さんと弁天さんもお顔が合体していました。
さらに、圓徳院では、陶器の三面大黒天さんが数体だけ売られていました。
それをかよちゃんが見て
この三面大黒天さんを寄付するから、源九郎稲荷神社の社務所に置いてね
と言い出したのです。
と聞くと
お稲荷さんの眷属さん達は狐さん達なので、その中にはまだ修行中で精神的に不安定な子狐達もいっぱいいるねん。
そういう不安定な部分を普通は大黒天さんが見守って鎮める役割をされているねんけど、源九郎さんには大黒天が祀られていないやろ~
それで、今日神社に行った時に、源九郎さんが私に
「三面大黒天を祀ってくれ」
と訴えてこられたんよ。
どうも今の源九郎さんの子狐さん達は力が強いのと、神社の役割も、個人レベルの願い事を叶えるだけじゃなくて、国家安泰レベルのことを成し遂げることを使命とされている鎮守だから、祀るなら大黒天様一人じゃなくて、毘沙門天さんと、弁天さんの力が必要みたい。
だから普通の大黒天様じゃなくて、源九郎の神様は三面大黒天を必要とされているみたいやねん。
と言うのです。
そんなことから、東京のおじさんんが
じゃあ僕が寄付するよ
かよちゃんが、こうやって突然おかしなことを言いだした時は、すごく意味があるから、今回もすごく大切なことなんだと思うよ~。
俺は全く神仏なんて信用してなかったんですが、かよちゃんが仕事を手伝ってくれるようになり、かよちゃんの能力を知ったんだけど、かよちゃんが神様からお告げを頂いたときは、その通りにしてきて、いろんな面で助けられたんだ~。
だから、きっと、三面大黒天さんは、すごく大切な仏さんなんだと思うよ
と言って、かなり高額な三面大黒天さんを購入してくださったのです。
(購入していただいた三面大黒天さんは、秘仏と同じお姿をされたものです)
この時、とよはかよちゃんの話になるほど~と感心しながらも、
と、彼女の不思議な言動の方に驚いていたのですが・・・・
後に、桜井識子さんが著書で
源九郎さんは眷属である狐さん達の修行の場
だということを書かれたのを読んで、かよちゃんの言っていたことと同じだったのでびっくりしました。
やはり、霊能力のある方には、源九郎さんの言葉がちゃんと伝わるし、子ぎつねさん達の姿も見えるんだ~
と改めて、かよちゃんと、桜井識子さんの能力に驚きました。
そして・・・
さらに、この後、三面大黒天さんにまつわる、不思議な言い伝えを知ることとなるのです。
大神神社に伝わる三面大黒天様のお話
そして翌日・・・
かよちゃんの叔父さんがせっかく東京から来ているんだからということで、は中川さんからお誘いを受けて、とよは、かよちゃんと東京の叔父さんをつれて大神神社に来ていました。
というのは、その日が大神神社崇敬会大和郡山支部の例祭の日だったからです。
さらに、中川のおじちゃんは、大神神社の全国崇敬会の会長もされているのです。
また、大峰山系での修行を終えて下山されてきたばかりの玄明院の岩岸住職もお参りに来てくださるということだったので、昨日寄付していただいた三面大黒天の像の開眼してもらうために持参してきていました。
ところが、岩岸住職は寄付していただいた三面大黒天を見て
なんかこの仏さん違和感があるな〰。
なんでやろ?可愛らしい仏さんやねんけどな?
なるほど・・・・・
白い大黒さんやからか?
と言われたのです。
そんなんです。
寄付していただいた三面大黒天は、大黒様なのに白色なのです。
年月が経てば黒くなって大黒さんらしくなるってことかな?
といいながら、岩岸住職により、大神神社の神殿内において三面大黒天の開眼が行われました。
そして、お参りが終わり、大神神社の権宮司さんから
神社の秘宝
を見せていただけることになりました。
それは宝物殿に数日間だけ展示されているものでした。
その中に展示されていた、不思議な形をした神様の像にとよは眼を奪われました。
その時、岩岸住職さんがとよを手招きすると
と言われたのです。
この三面大黒天様を見て、とよはびっくりしました。
とても異様な姿をされていたからです。
圓徳院の三面大黒天さんと全然違う・・・・。なんか怖いお姿をされている
と思いました。
その像はまるで生きているみたいで、とても神々しくかったのですが、とてつもなく強い力を持っておられるようで、怖く感じたのです。
この時、権宮司さんが、この三面大黒天について説明をしてくださいました。
京都の比叡山延暦寺を開山した最澄さんが、比叡山を開山したものの、最初なかなか信者さんが集まらなかったそうです。
その時比叡山の山中に三面大黒天さんが現れて「自分を祀れば信者が集まると言われた」という言い伝えがあり、その後その三面大黒天様のお姿を像に刻みお堂を建てて祀られたところ、延暦寺がとても大きくなったと言われています。
・・・ところが、別の言い伝えがこの大神神社には残っておりまして・・・
最澄さんが三面大黒天のお姿を見たのは比叡山ではなくて、ここ大神神社の山中だという言い伝えなのです。
最澄さんは、お寺を大きくするためには、日本最古の神社でありとてもお力の強い大神神社の神様のお力を借りようと考え、密かにお参りに来られたそうです。
そして、三輪山の神に祈願された際、山中で三面大黒天のお姿を感見されたそうです。
その時の三面大黒天のお姿がこの像だと言われています。
この三面大黒天様は三体彫られ、一体は今見ていただいている仏様、もう2体は比叡山延暦寺に祀られたそうですが、織田信長の焼き討ちの際に1体は焼損してしまったと言われており、もう1体は、延暦寺内の大黒天堂に秘仏として祀られているそうです。
とのことでした。
秀吉さんの三面大黒天はとてもふくよかでかわいらしいお姿でしたが、最澄さんの三面大黒天はとても厳しいお姿です。
大黒天が時代とともに、マーハカーラの憤怒の形相から七福神のふくよかな形相へと変わっていったのと同じで、三面大黒天も時代とともにお姿を変えられていったのでしょうね。
そんなことから、
源九郎の神様が再び力を取り戻すためには、三面大黒天さんの協力が必要だということなのかな〰
と解釈したとよは、かよちゃん達からいただいた三面大黒天さんの像を神社の社務所に飾りました。
今、その三面大黒天さんは、中川のおばちゃんが黄色い座布団を作ってくださり、その上に鎮座されています。
また、私と中川さんご夫婦は、その後最澄さんの三面大黒天にお参りに行こうということになり、比叡山延暦寺を訪ねていますが、そこの大黒堂で、中川のおじちゃんと、とよは、同じ木彫りの三面大黒天のお守りを買いました。
そのお守りは、タイに持って来ており、いつもとよの傍にいてとよの身の安全を守ってくれています。
このことがきっかけで、とよは今まで良く拝んでいた毘沙門天様の他に、大黒天様と、弁才天様を急に身近に感じるようになりました。
そのため、タイに来るまでは、毘沙門天の縁日には信貴山にお参りし、大黒天の縁日には日本最古の大黒天がある松尾山寺にお参りを欠かさずしておりました。
信貴山の毘沙門天様と松尾山寺の大黒天様は、なぜかとよにとってしっくりとくる仏様であり、相性が良いと感じる大好きな仏様達です。
ただ、弁才天様に関しては、いまだに自分にぴったりとくるお寺とも仏像とも出会っていないので、これから先の出会いを楽しみにしています。(ただ・・・弁才天に深く関係のある方とはお知り合いになりましたが・・・)
そんなことから、神仏の間の不思議な家系図やネットワークがあることは確かなようであり、源九郎さんは、毘沙門天様、大黒天様、弁才天様とは同じグループの神様なのかな〰と感じています。
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源九郎稲荷神社復興活動に続く「源九郎とよのバンコクスパ経営奮闘記」
源九郎稲荷神社がある程度復興して、多くの方が参拝に来てくださるようになった2014年、とよはある決意をします。
それまで勤めていた警察を辞めて、タイ、バンコクで新たな挑戦を始めることになったのです。
とよが源九郎稲荷神社復興活動チームから離れて、警察同期生だった親友の助けを得ながら異国タイで奮闘するハチャメチャな様子を綴った物語が「元女性警察官(刑事)コンピがバンコクでスパ経営物語」です。
なんとか成功してお金を貯めて源九郎稲荷神社の社務所を建て替えるのがとよの夢なのですが、新型コロナウィルスのパンデミックもあり、なかなかすんなりとはいかない状態です。
でも、夢をあきらめずにやれるところまで頑張ってみたいと思います。ご興味のある方は、そんな源九郎とよの奮闘状況をご覧ください。
元女性警察官(刑事)コンビのバンコクスパ経営物語