源九郎とよの斑鳩町の仲間が草刈りに駆けつけてくれました
語り部の中川さんご夫婦と3人で、始めた源九郎稲荷神社のお掃除ですが、秋も深まってくる頃には、境内に埋もれていた落ち葉は、ほとんど取り払うことができました・・。
でも、源九郎とよには未知の領域がありました。
そうです、亡くなったおじいちゃん宮司さんから
と言われていた神殿の周囲です。
と言いたくなるくらい、神殿の周りは草木が生い茂り、ジャングル状態となっていました。
とても今までのような手作業では無理な状態でした。
と、とよは途方に暮れていました・・。
当時のとよの職場は、日本で始めて世界文化遺産に登録された法隆寺のある斑鳩町です。
・・・で、勤務中に、斑鳩町の地域役員をしている藤本さんに
と尋ねました。
と聞かれ、藤本さんに、源九郎稲荷神社のことをお話しました。
すると・・・・
と言ってくださったのです。
本当に、この時はやった!と思いました。
藤本さんは、元々斑鳩町役場の職員で№2のポストまで行かれた方でした。
なのに、腰が低く、気さくで、そしてとても頭の柔らかい方でした。
とよは、当時斑鳩町の法隆寺駅前交番で交番所長をしいた関係で、地域のために活動をしてくださっている方々と、一緒に数々の防犯活動をしていたのですが、藤本さんはその中でも中心となる「斑鳩町地域推進委員会」という会の副会長をされておりました。
まだ、引退されたばかりだったので、若々しく、そして非常に頭の涼しい方だったので、とよはいつも、いろんなことを藤本さんに相談しておりました。
なので、この草刈りのことを相談した以降は、源九郎稲荷神社のことも、この藤本さんに頻繁に相談するようになりました。
そんな藤本さんだったので、あれほどおじいちゃん宮司さんが一般の人を入れたがらなかった神域に入ってもらうことを、すんなりと頼めてしまいました。
と、この時は少し胸が痛みましたが、ここはどうしても藤本さんの力が必要だと感じておりました。
それほど、自分の手ではどうにもできないくらい、神殿周りはひどい有様だったからです。
そして、藤本さんは、数日後には神社に来てくださり、神殿の周りの草をきれいに刈り取ってくださったのです。
藤本さんが草刈が終わった後に発した言葉に、とよは驚きました。
と、藤本さんは、本当に命拾いしたみたいに、凄い顔をしておっしゃられたのです。
草木が生い茂っていたため、何があるかわからない中を手探りで草刈りをしてくださったので、すごく神経を使われたそうです。
また、故おじいちゃん宮司さんが、絶対に人を入れなかったということを、お伝えしたいので、
と不安で仕方なかったそうです。
幸い変なものは何も出て来ず、神殿の周りは何年ぶりかに地面が見える状態になりました。
草刈りで綺麗になるはずだったのに‥‥予想外の展開でした!!
けれど・・・
草木がなくなったことで新たに判ったことは・・・。
神殿の周りには、何箇所かに神社の木の枝が高く積み上げられており、大きな石もごろごとと積み上げられていたのです。
さらに、何かが数枚のトタン板で隠されておりました。
とよは、
と思いましたが、藤本さんと同じく、それをするのが「怖い」と思いました。
この時、そんなふうに思ったほど、そのトタン板付近は、怪しさがいっぱいであり、故おじいちゃん宮司さんの秘密が隠されているような気がしたのです。
この時、とよも藤本さんも、そして中川さんご夫婦も感じたことは同じでした。
ゴミ捨て場と化している・・
と・・・とても先行きが不安になりました。
神社というより、ゴミ捨て場だった・・・という方が近い表現になるほど、この神殿周りには、置き場のないものを集めたという感じで、木や石等が散乱していたのです。
石は、直径50㎝以上の大きさのものばかりであり、神殿周りだけでなく、境内にもいくつか無造作に置かれていました。
中川のおじちゃんの話では、
ということでした。
中川のおじちゃんも、
と、とても不思議に思い尋ねたそうですが、
故宮司さんは
と言われたそうなので、それ以上は追及しなかったそうです。
さらに、故宮司さんは、杉の木を何本か境内に植えたそうですが、それも、中川さんのおじちゃんにしたら、
と思ったそうです。
その杉の木は、無造作に植えられていたのでとても邪魔になり、数年後に歌舞伎俳優の中村勘九郎さんに「桜」と「梅」を植樹してもらう際に、可哀想だけれど伐採することになりました。
とりあえず、
ということで、神殿周りにある枝木を、倉庫の横にすべて移動させるという作業に取りかかったのです。
下の図の黒い楕円形枠の部分へと、集めた枝木を運びました。
・・・これが、とてつもなく大変な作業でした。
いくら警察官をしていて体力も力も普通の女性よりもあったからと言っても・・・・源九郎とよも一応女性なので、この枝木の重さにには苦戦を強いられました。
中には幹が30センチ位の物もあり、1本を抱きかかえて移動させるのが精一杯なものもありました。
そのため、作業は難航して、すべてを移動させるのに3日位かかりました。
倉庫の横にはとよの背丈ほどの高さまで枝木が積み上げられました。
そして、この枝に関しては、この後に小さく切って倉庫に保管し、お正月のとんど用に使用する予定でした。
ところが・・・・
ここで、おもわぬクレームが入るのです。
物語の続き第33話はこちらから
源九郎稲荷神社復興活動に続く「源九郎とよのバンコクスパ経営奮闘記」
それまで勤めていた警察を辞めて、タイ、バンコクで新たな挑戦を始めることになったのです。
とよが源九郎稲荷神社復興活動チームから離れて、警察同期生だった親友の助けを得ながら異国タイで奮闘するハチャメチャな様子を綴った物語が「元女性警察官(刑事)コンピがバンコクでスパ経営物語」です。
なんとか成功してお金を貯めて源九郎稲荷神社の社務所を建て替えるのがとよの夢なのですが、新型コロナウィルスのパンデミックもあり、なかなかすんなりとはいかない状態です。
でも、夢をあきらめずにやれるところまで頑張ってみたいと思います。ご興味のある方は、そんな源九郎とよの奮闘状況をご覧ください。
元女性警察官(刑事)コンビのバンコクスパ経営物語