難航する神社のお掃除 これは源九郎稲荷大神様から与えられた試練なの?(源九郎稲荷神社復興物語 第33話)

今回の登場人物
源九郎とよ
源九郎とよ
源九郎とよ(本名土井美苗):復興活動物語のボランティアチームスタッフ代表。この当時は警察官をしておりました。当時は本名を隠してペンネームの「源九郎とよ」で活躍しておりました。
中川おじちゃん
中川おじちゃん
語り部「中川のおじちゃん」:源九郎とよと一緒に神社の復興活動をスタートさせることとなる神社の総代さん。今では神社の「語り部氏」として、雑誌やテレビなどにも取り上げられる神社の顔。陽気で優しくてダンディーな人で、とよが第二の父と仰ぐ存在。
中川おばちゃん
中川おばちゃん
中川のおばちゃん:語り部氏の奥様。神社の境内で四季折々のお花を育てているお花の守人。陽気で優しくて、笑っているところしか見たことがない朗らかな人
むた接骨院院長
むた接骨院院長
むた接骨院院長:交通事故に遭いむちうちに遇ったとよの治療をしてくださった院長先生

 

第一の試練!! 一度運んだ枝木をまた元の場所に移動!!

 

神殿の周囲にあった枝木をすべて、境内の倉庫の横に移動させる作業に3日を費やしました。

 

倉庫の横には私の背の高さくらいに枝木が積み上げられました。

この枝木については、お正月にトンドをするために使うつもりでいました。

 

源九郎とよは、宮司さんにお正月の準備を手伝わされたため、トンドの組み方なども教わっていたので、中川さんと相談の結果、トンドをして境内のゴミを全て燃やす予定でいました。

 

・・・ところが、

「こんなところに木を積み上げられて、もし火でもつけられたどうするんだ?

近所に住んでいる者の身にもなれ。

こんなことをされたら不安で仕方ないだろ!」

と、とあるところからクレームが・・。

 

意外にも後程わかったのですが、このクレームは神社の周辺に住んでおられる洞泉寺町の住民の方でありませんでした。

この方からはこの後、様々なことでクレームが舞い込んできます。

 

神社の存在自体が気に入らない方だったのです。

そして、そのクレームに対しては、中川のおじちゃんが怒りを我慢しながら、いろんな知恵を絞って対処していってくれることとなります。

 

語り部として、いつも笑顔で参拝客の対応をされている中川さんですが、隠れた苦労は数知れず・・・

 

神社のことを快く思わない人もやはりいますし、様々なところでいろんな問題は発生しましたが、中川のおじちゃんだからこそ、いつもうまくさばいて乗り切ってこられたと思います。

本当におじちゃんは、人を納得させて、まとめて、動かすリーダーとしての器のある人です。

 

源九郎稲荷大明神さんが、おじちゃんを語り部として選ばれた理由は、

源九郎とよ
源九郎とよ
単にお話しがうまいからだけじゃなくて、

人を惹きつける魅力、

そして人をまとめる器量を持った人だからなんだな〰

と、とよは、おじちゃんの行動を通して、いつも感心させられておりました。

 

 

そんなことから、このクレームが舞い込んだ時も・・・・

クレームの背景にある地域の問題点を、おじちゃんはとても良く把握しておりました。

 

なので、今、反発して対抗しても、作業がやりにくくなるだけだし、さらに色んな面でクレームが入ることにもなりかねない・・・そんな予測がついたのです。

 

それに、

言われてみればその方のクレームの通り、放火される可能性のあるものを、誰でも近づける場所に置いておくのは問題がありました。

 

とよが、その方の立場でも確かに、不安は感じたと思います。

確かに、火をつけられたら大変なことになってしまいます。

 

洞泉寺町の方は、何も言われませんが、やはりちょっと・・・と不安を感じられている人はおられると思いました。

 

 

中川のおばちゃんは

 

中川おばちゃん
中川おばちゃん
ビニールシートでかけておく?

って言ってくれましたが、ビニールシートの方が、より放火されやすくなってしまいます。

 

 

これは場所を移動させるしかありません。

それで・・・3人でいろいろ思案した結果・・・・・

 

再び神殿の西のスペースに移動させることにしました。

 

神殿は境内の奥にありますし、神殿の周りは柵があるので、誰でも容易に入ることはできません。

人の目にもつかないので、やはりここが一番安全な場所だということになりました。

 

どちらにしても、この集めた枝木は、お正月のとんどで燃やしてしまうので、お正月が終わればきれいになくなってしまいます。

それまでは、やはり、人目につかない場所に置いておくことがベストでした。

 

そんなことから、下の図の黒い四角の枠の場所に、再度枝木を移動させました。

一旦、移動させた枝木を、また元の場所に戻す・・・ことになったわけなのです。

(図面の黒い枠の部分に移動)

しかし、これは思った以上に大変な作業でした・・・

 

源九郎とよ
源九郎とよ
これは神様が与えていらっしゃる試練??

私達は試されているの?

とさえ感じました。

 

正直なところ・・・

源九郎とよ
源九郎とよ
必死で枝木を移動した、あの3日間はなんだったんだろう?

と情けなくなりましたが、やるしかありません!!

 

そして、とよは、再度、神殿の西側スペースに枝木を移動させ、今度は、枝木をとんどのように積み上げました。

 

まだ、境内は落ち葉に埋もれていましたので、積み上げたとんどの中に、境内中の落ち葉を入れようと考えたのです。

そして、お正月にトンドをするときに、ここから、すべて運び出すことにしたのです。

 

でも、それは本当に、とても、とても大変な作業でした。

途中で、投げ出したくなりました。

 

今もう一度同じことをしろと言われても、とても無理ですし、絶対に嫌です!!

 

中川のおばちゃんに

中川おばちゃん
中川おばちゃん
あの時のとよさんは、何かにとりつかれたみたいやったね~

 

と良く言いいますが、まさしくそうだったと思います。

 

そんなことから、毎日体中傷だらけの筋肉痛だらけでした。

この作業には、ほぼ1ヶ月位はかかったと思います。

 

積み上げた枝木と落ち葉の山は、とよの背丈をとうに超していました。

 

最初、手で運んでいたこの枝木も、中川のおじちゃんが一輪車を見つけてくれたお陰で、かなり効率がよくなりました。

それでも、いったい何往復したことでしょう・・・

 

けれどその甲斐あって、境内はみちがえるようにすきっと綺麗になって行ったのです。

 

 

第二の試練!! 源九郎とよの交通事故

 

10月下旬・・・

とよに第二の試練が降りかかりました!!

 

とよは自分の車に乗り、スポーツジムからの帰り信号待ちで止まっていました。

すると、道路右側にあるコンビニから出てきた車が、とよの車の横っ面に

ドス~ン

と突っ込んできたのです。

 

とよは、暫く何が起こったのかわかりませんでした。

 

源九郎とよ
源九郎とよ
嘘でしょう・・・

 

とりあえず、コンビニの駐車場に車を入れて外に出て、自分の車を見てみると・・・

運転席側が、バンパーから運転席ボディにかけて凹損・・・

車は動いたものの、見るも無残な姿でした・・

 

自分の両手がワナワナと震え出して、ぶつかってきた車の運転手を睨みつけましたが・・・

 

その人は、40歳位の男性で、見るからに仕事帰りで疲れきっている・・・という状態で、とても憔悴していました。

男の人
男の人
すみません。全く前方を見ていませんでした

 

と謝られたとよは、その人の疲れきった姿に何も言えませんでした。

その後、警察に来てもらいましたが、怪我がなかったので物損事故として手続きをしてもらいました。

 

ところが・・・翌朝

頭がガンガンして、首、肩、右腕、右足首が固まったように動きません。

 

源九郎とよ
源九郎とよ
むち打ちかな・・・

まぁ大丈夫だろう・・・と思いながらも肩から上におもりをのせているような感じがして我慢ができません。

心配だったので、むた接骨院に行き交通事故に遭ったことを院長先生に話しました。

 

そしたら・・・

 

むた接骨院院長
むた接骨院院長
何をのんきなことを言っているんですか。
むちうちだったらきちんと治療しないと後遺症で大変な目に遭うよ

 

と、お叱りを受け

 

むた接骨院院長
むた接骨院院長
すぐに整形外科にレントゲンを撮りに行くように

と言われました。

 

結果はやはりむち打ちでした・・・。

横から当たられた方が、後ろから当たられたより、むち打ちの症状がきついと言われました。

 

また意外にも、右腕と右足首は衝突の衝撃で打撲していました。

 

とよは、信号待ちで停車していたため、前方を向いていたことから、横からぶつかって来た車を、ぶつかる前にはいっさい認識できていませんでした。

そのため、ぶつかられた際の衝撃を、認識できていた場合よりも、よりきつく受けてしまうこととなったそうです。

 

その後は、整形外科から診断結果をむた接骨院の院長先生に伝えてもらい、以後の治療は、交通事故治療を得意とする接骨院でもある「むた接骨院」で治療を受けることになりました。

 

そして・・

事故に遭った直後にしっかりと治療しておかないと、後で大変なことになると院長先生に脅かされ・・・

悲鳴を上げながらの治療が始まりました。

 

先生の言うとおり、それから1週間ほどは右腕が上がらなくなり、歯を磨くのも大変でした。

 

もちろん・・・・。

むた接骨院院長
むた接骨院院長
源九郎さんの掃除にも行っては駄目!!
最初にしっかりと治療しておかないとずっと苦しむことになるよ

と叱られました。

 

でも、院長先生は、とよが正月までに源九郎稲荷神社をなんとかしたいという気持ちを知ってくれていたので、1週間後くらいには、渋々OKを出してくださり、神社の掃除をしたら、その後すぐに先生のところに行って治療をしてもらうという日々が続きました。

 

今から思うと、本当に迷惑な患者だったと思います。

先生の前で、何回「痛い」を連発したことか・・・

 

でも、「おとなしくするように」「安静に」と苦い顔をしながらも、私の気持ちを汲んで治療してくれた先生・・・。

先生のお陰で、神社の掃除を続けられたと思います。

 

交通事故も、またひとつの試練でしたが、周りの人に支えられ、乗り越えることができました。

 

まだまだ、奮闘記は始まったばかり・・

この先、試練は続きますが、いろんな人がとよを助け支えてくれるのです。

 

 

物語の続き第34話はこちら

 

復興活動物語の目次はこちら

 

 

源九郎稲荷神社復興活動に続く「源九郎とよのバンコクスパ経営奮闘記」

 

源九郎とよ
源九郎とよ
源九郎稲荷神社がある程度復興して、多くの方が参拝に来てくださるようになった2014年、とよはある決意をします。

 

それまで勤めていた警察を辞めて、タイ、バンコクで新たな挑戦を始めることになったのです。

とよが源九郎稲荷神社復興活動チームから離れて、警察同期生だった親友の助けを得ながら異国タイで奮闘するハチャメチャな様子を綴った物語が「元女性警察官(刑事)コンピがバンコクでスパ経営物語」です。

 

なんとか成功してお金を貯めて源九郎稲荷神社の社務所を建て替えるのがとよの夢なのですが、新型コロナウィルスのパンデミックもあり、なかなかすんなりとはいかない状態です。

 

でも、夢をあきらめずにやれるところまで頑張ってみたいと思います。ご興味のある方は、そんな源九郎とよの奮闘状況をご覧ください。 

 

元女性警察官(刑事)コンビのバンコクスパ経営物語