前回は、不思議な力を持つかよちゃんが大神神社の神様からご神託を受けた、「とよが源九郎稲荷神社で果たさなければならない役割」についてお話ししました。
不思議な能力を持つダブルKちゃんは普段はとても可愛らしい女性達でした
この前から気になっていたんやけど、いつとよちゃんに会っても、その翁が傍にいてはるよ~
と付け加えました。
その翁さんは、すごく偉い海の神様だってわかったよ。
海原に竜宮城のような豪華絢爛な建物が建っていて、その翁さんはそこの屋根に座ってたわ。
名前を名乗ってくださいとお願いしたけど「そのうちわかる」と言われてしまったわ~。
海の神様やから「大海神様」かな?
とよちゃんのことを守ってくださっているみたい。
よかったね~
ついに、夢で見た三角錐の島を見つけた!!
そして・・・
2008年夏、とよは妹と広島に来ていました。
妹と旅行なんて・・・始めて?かも。
なぜ広島に行ったのか?というと・・・
ある日テレビで世界遺産の厳島神社を見たのです。
その美しさにすっかり虜になってしまいました。
厳島神社に魅了されたとよは、どうしても広島に行きたくなりました。
一度「こうしたい」と思ったら、即行動してしまうのがとよの性格なので、この時も・・・
最初は一人で行こうかなと思いましたが、今回は、なぜか妹を連れて行きたくなりました。
とよの妹ですが、とても美人で優しい子です。
でも、几帳面で超真面目な優等生タイプ
いいかげんな性格で、直感で動くとよとは大違いなのです。
とよは、何事もすぐに邪魔臭くなるし、面倒くさくなるし、
といつも叱られます。
どちらかといえば妹がお姉さんで、とよはいつも妹に頼りっぱなしです。
でも、とても仲良しです。
とよのことを理解してくれている、とても可愛い妹なのです。
思い立ったらすぐのとよは、妹に電話していました。
ってな感じで、すぐに話はまとまり、厳島神社行きは簡単に決まってしまいました。
それから数日後・・・・
夜に奈良を出て、広島に着いたのはまだ夜明け前でした。
原爆ドームがライトアップで青白く光っていました。
その日の昼間は原爆記念館などを回り、夕方から宮島に渡りました。
そして、宮島へのフェリーに乗っているとき・・・
とよの目に飛び込んできたのが!!
なんとなんと!!
あの夢で見た三角錐の島!!
だったのです。
フェリーが宮島へ到着した後、とよは、かなりの興奮状態でした。
妹から
と言われているにもかかわらず、
とにかくその島に少しでも近づきたくて
島の上に神社があるかどうかを確認したくて
宿とも厳島神社とも反対の方向にある、その島のある方向をめざして、宮島の海岸線をひたすら車を走らせたのです。
夢と同じ景色が、どんどん近づいてきました。
こんなに興奮したのは久々でした。
でも、その島は、どこから見ても無人島であり、フェリーなどで渡れそうにはありませんでした。
そのうち、海岸線の道もどんどん山の奥へ入って行き、ついには行き止まりになってしまいました。
たぶん、旅行客でこんなところまで車を走らせる者など、誰もいなかったでしょう。
今でも、まだその理由はわかりません。
また、この島がとよにとって、どういう意味を持っているのかもわかりません。
この島は、後でホテルの人に聞いて「小黒神島」とう無人島で神様のお住まいがある島であることがわかりました。
さらに翌日、とよは「弥山」という山に登るのですが、そこで
真っ黒な手の平より大きな蝶
に出会いました。
その蝶は、ずっととよの側から離れず、さらに
「こっちこっち」
と道を誘導するような飛び方をしました。
とよは、なぜかその蝶に導かれるように歩きだしました。
けれど、妹は
と言い出しとよの後をついてくることができない状態でした。
それで、妹を頂上の休憩所に残して、とよだけが、その蝶の後を追いかけました。
すると・・・
その蝶は、弥山本堂を通りすぎ、さらに原生林の奥へととよを誘います。
お参りの人からどんどんと離れていくため、だんだんと不安になってきました。
けれど、蝶は「大丈夫、大丈夫」と言っているようであり、とよは蝶を信用してその後をついて行きました。
やがて、朱色の綺麗な社が見えてきました。
3つのお社が建った神社でした。
そして、その神社の先は断崖絶壁の崖になっており、その崖の先にあの三角錐の島があったのです。
その光景は、夢で見た光景そのものでした。
夢では、とよは海原の上を飛び、その島に近づいて行ったところ、いきなり島が2つに割れて階段が現れ、その階段の一番上に朱色の鳥居があったのです。
とよはその鳥居の中に吸い寄せられました。
そして、鳥居をくぐろうとしたところで目が覚めたのです。
これが、とよが神社に興味を持ったきっかけとなる夢でした。
そして、今まさにとよの目の前に広がる光景は夢そのものでした。
夢とこの時とで違っているのは、
とよは空を飛ぶことができないため、島の頂上にある神社に近づけないこと・・・
でした。
とよをこの場所に連れて来た黒蝶は、「ここの神様にお参りしなさい」とでも言っているように、朱色のお社の屋根に止まったまま動かなくなりました。
なんの説明書きもないので、その神社がなんていう神社であるのか?
ご祭神は誰なのか?
全然わかりませんでしたが、とりあえずとよは、この場所まで導きいただいたことに心より感謝をしてお祈りさせていただきました。
とても、とても清々しい気分になりました。
その後、お社をを後にしたとよは、妹が待つ休憩所に戻りましたが、すでに妹はすっかりと元気になっておりました。
昨日の夜、姉ちゃんが部屋でごそごそカバンを開けて整理とするから、全然寝れなかったせいやわ~
と言い出したのですが・・・
とよは、昨日の夜はもうぐっすり寝込んでしまっており、妹の話が全く読めません。
ずっと、ゴソゴソしてたよ。ビニール袋のシャカシャカする音とかも鮮明に聞こえたし・・
この話を聞いて・・・とよが気になったのは、昨日の朝は原爆ドームと原爆記念館を見学に行ったこと・・・
妹は、昔から勘が強い子なので、ひょっとしたら、誰かを連れて来た??
誰かとは、もちろんみなさんの想像どおり「幽霊」さんのことです。
だとしたら・・・・妹に良くない障害を及ぼしている可能性がありました。
でも、とよが黒蝶に案内されて訪れた神社に、とよがお参りした直後に妹は元気になっていたので、これは神様が助けてくださったのかもしれないと思いました。
今でも、きっとそうだろうと思っています。
この神社ですが、「御山神社」と言い、厳島神社の奥宮になるそうです。
なので、主祭神は、厳島神社と同じ宗像三女神です!!
厳島神社と言えば「平家」が守護する神社です。
とよは、源氏の守り神である八幡神社から、源義経ゆかりの源九郎稲荷神社へと導かれたわけですが、
夢の始まりが平家の守り神である厳島神社 だとしたら・・・
ここに何らかの規則を見出そうとして、こじつけようとしているとよの発想がおかしいのかもしれませんが、・・・・
点と点があるとどうしても線で結びつけようとしてしまうのが、長年刑事をしていて捜査に携わっていたとよの特性になるため、このときも頭がくちゃくちゃになりながら、平家と源氏という点を、神社という線で強引に結びつけようとしていました。
そんなことをしても何の意味もないのですが、ただこの時はどうしても不思議な力が働いているような気がしてならなかったのです。
そして・・なんと!!
この後、厳島神社に深く関係のある「平家の子孫(平維盛の子孫)」と同じ勤務地で一緒に仕事をすることになるのです。
その人との出会ったことにより、とよは戸籍を辿って自分の先祖の系譜を調べることとなり、源氏と平家の両方に深くゆかりがある武士の末裔であることが分かったのです。
さらにタイに来てからは、平家の中でも高倉天皇に嫁いだ建礼門院の子孫にあたる高倉さんという子と一緒に仕事をすることにもなりました。
また、静御前の子孫である方とも、源九郎稲荷神社の導きで知り合いになり、今ではとても懇意な仲になりました。
こじつけだと言えばこじつけなのですが、かなり近い関係で源氏や平家の子孫の方と出会い、一緒に仕事をしたり親友になったりするというのは・・・やはりこれは「不思議な縁」というもののような気がします。
そんなことから・・・
だんだんとダブルKちゃんからされた不思議な話も、徐々に受け入れだしていたのです。
次回第17話の記事はこちら
復興活動物語の目次はこちら
源九郎稲荷神社復興活動に続く「源九郎とよのバンコクスパ経営奮闘記」
それまで勤めていた警察を辞めて、タイ、バンコクで新たな挑戦を始めることになったのです。とよが源九郎稲荷神社復興活動チームから離れて、警察同期生だった親友の助けを得ながら異国タイで奮闘するハチャメチャな様子を綴った物語が「元女性警察官(刑事)コンピがバンコクでスパ経営物語」です。
なんとか成功してお金を貯めて源九郎稲荷神社の社務所を建て替えるのがとよの夢なのですが、新型コロナウィルスのパンデミックもあり、なかなかすんなりとはいかない状態です。
でも、夢をあきらめずにやれるところまで頑張ってみたいと思います。ご興味のある方は、そんな源九郎とよの奮闘状況をご覧ください。
元女性警察官(刑事)コンビのバンコクスパ経営物語