前回は、お花にまつわるトラブルについてご紹介しました。
前回の記事第47話はこちら
今回は、源九郎とよがある人の言葉でとっても傷ついた・・というお話です。
嫌な言葉を次から次へと浴びせかける嫌な男性
季節も春へと移り変わりました。
源九郎とよは、変わらず時間のあるときは、神社の掃除をしていました。
ある日・・・・
語り部氏の中川のおじちゃんも、おばちゃんもお留守の日がありました。
とよは、一人で花壇の落ち葉拾いをしていました。
すると・・・・
ある男性が神社に訪ねてきました。
その男性は、神社にある商品を卸している人でした。
すでに、何回か神社でお会いしていますが、あまりお話をしたことがない人でした。
その人はとよに
と聞いてきたので、
と携帯電話を取り出したところ・・・
電話番号なら知っているから自分でかける
と、いきなり、すごく偉そうに言われました。
とよは、その人に偉そうに言われる筋合いもないので、関わらないでおこうと思い、構わないで掃除を続けていました。
その間、男性は、電話で中川のおじちゃんと連絡を取っていました。
そして・・・
電話が終わると、掃除をしているとよの方にニヤニヤしながら近づいてきたのです。
なぜか、とても悪意を感じました。
その男性は、いきなりとよに向かって
と話かけてきました。
とても、嫌な声の掛け方だなと思いながら、顔を上げてその人に対応すると、今度は、
家で、誰にも相手にしてもらわれへんのか?
と、とても失礼なことを言ってきたのです。
私は、とてもびっくりしましたし、むっときましたが、自分に辛抱、辛抱と言い聞かせながら
と返答しました。
すると、その男性は、
そんなに掃除が好きなら天理教のひのきしんでも行って天理の街を掃除したらいいやろ!!
と、とてもニタニタしながらうれしそうに言ってきたのです。
あまりにも無礼な、その人の態度にとても頭にきましたが、私はできるだけ冷静になろうと努め・・・・
あなたにそんなことを言われる筋合いはありませんが・・・
と言い返しました。
でもその人は、それで暴言をやめるどころか、とてもしつこくて、
と、言って来ました。
女の人の年はわからんからな~。
今どきの女は早く子供だけは早く生むから、もう孫でもいるかと思ったわ
と、止まりません・・・・
あまりの失礼さに、
と、きつく言い放ちましたが、一向にやめる気はありません。
とよが嫌がるのを見るのがとても楽しそうでした。
とよは、このままでは喧嘩になってしまうと思い、自分の方から、その場を立ち去りました。
すると、やっと、その人はあきらめて帰って行きました。
・・・・その男性が帰ってから・・・・
最初は、腹が立つという思いが先に立っていましたが、まるで走馬灯のように、いろんな思い出が蘇ってきました。
美里の死ぬ前の姿や、ここまでたどり着くまでの苦労など・・・・
思い出すと、先ほどの男性に言われた言葉がとても悔しくて、涙が出てきました。
どこにも行くところがないのか?
そんな心ない言葉が、夢中でがんばってきたToyoの心を、ずたずたに切り刻んでいました・・。
私は、何をやっているんだろう・・・
気がつくと、社務所の中で、静守大明神の扁額を抱きしめて泣いていました。
思い出されるのは、美里の最後の姿・・・・。
そんな思いに突き動かされてきた自分というものに気がつきました。
とよは、親友の美里が亡くなったとき泣けませんでした。
なのに、なぜ今・・・こんなに涙が出るんだろう・・・。
張り詰めていた糸が切れてしまったような脱力感がありました。
無性に誰かにこの思いを聞いてほしくなり
携帯電話で、中川のおばちゃんの番号をダイヤルしていました。
でも・・・出ませんでした。
次に、岩岸住職の番号にダイヤルしていました。
でも・・・でませんでした。
なぜか、みんなに見放されたような気分になり、ますます悲しくなりました。
道でばったり出会ったむた接骨院の院長の優しさが身に染みて
日が暮れるまで神社に一人でいたとよでしたが、ある程度気持ちが落ち着いたので神社を後にして自宅に帰ることにしました。
すると・・・途中、
とよがいつもお世話になっている「むた接骨院」の院長先生とバッタリ出会いました。
先生は
と、笑いながら声を掛けてくださいましたが、私は笑顔で挨拶を交わすことができませんでした。
その様子をおかしいと思った先生は、
と聞いてきてくれました。
とよは、道端ではありましたが、先生の優しい顔を見て、再び涙が込み上げてきてました。
先生は、とよが神社を掃除する理由を知っていました。
年末に、綺麗な神社でお正月を迎えたいたいという思いで急ピッチで掃除していたとよでしたが、そんな最中に交通事故に遭ってしまいました。
それで、できるだけ早く治してくださいとむち打ちになったとよを治療してくださり、そのおかげでなんとかお正月までにある程度神社を綺麗にすることができたという経緯がありました。
そのため、源九郎稲荷神社ととよとの関わりを良くしってくれておりました。
そんなこともあり、とよ先生に経緯を話しました。
先生は、最後まで話を聞いてくれ、
と言いながら、自分が飲むために買った缶コーヒーをとよにくれました。
こんな道端で、泣いている女性を相手に話しを聞くということは大変なことだったと思います。
誰が見ても先生が、とよを泣かしているように見えたと思います。
でも、先生は、最後まで話を聞いてくれました。
とよは、泣いている自分が恥ずかしくなりました。
何のためにやっているんだろうと思った自分のことも恥ずかしくなりました。
そして、先生の優しさがとても心に染みました。
中川のおじちゃん、おばちゃんの優しさが身に染みて・・・
先生と別れた後、中川のおばちゃんから電話がかかってきました。
話を聞いたおばちゃんは、カンカンでした。
その後、中川のおじちゃんから電話がかかってきました。
あの失礼なおじさんに連絡を取って、叱り付けてくれたらしく、すぐに謝罪させるから神社に来て欲しいとおっしゃいました。
中川のおじちゃんも非常に怒っていました。
と言ったものの、おじちゃんの好意を無にすることはできず、その人の顔を見るのも嫌でしたが、神社に行きました。
すると、その人が来ていて、再びおじちゃんが、その人を私の目の前で叱り付けてくださいました。
その人は、とよに
と謝りましたが、言い訳ばかりするので
上辺だけの謝罪など結構です。
と言いました。
すると、その人は、
と言いました。
所詮、何を言っても無駄な人だとわかりました。
でも、その人を懸命に叱り付けるおじちゃんの姿を見て、とてもうれしく思いました。
後から聞いた話では、その男性は、奥さんと子供に逃げられて、今、1人暮らしをしているそうです。
中川のおじちゃんのお友達が師匠をされている「三味線の会」に所属しているそうですが、やはり他のメンバーの方と頻繁にトラブルを起こしているそうです。
偉い、災難でしたな〰
と中川のおじちゃんが言っておりました。
こうして、中川のおじちゃんが、とよのために取ってくれた行動は、とても嬉しく思いました。
そして、電話でカンカンに怒っていたおばちゃんの声を聞いて、とてもうれしく思いました。
おじちゃんとおばちゃんの優しさがとても心に染みました。
知足院玄明院岩岸住職の優しさが身に染みて
その後、岩岸住職からも電話がかかってきました。
岩岸住職に経緯を話したら、中川のおじちゃん、おばちゃん同様に、カンカンに怒っていました。
そして、必死で私を慰めてくれました。
岩岸住職の優しさがとても心に染みました。
とよは突然、振って沸いたように、ある男性から心ない冷たい言葉を浴びせられて、らしくなく傷ついてしまいました。
でも・・・・・・
そのお陰で、私の周りには、とても優しい人達がいることを再認識させられました。
今から思うと・・・・その男性から言われた言葉は、どうってことないような言葉です。
思い出しても、悔しさはどこにも出てきません。
でも反対に、牟田接骨院の院長や中川のおじちゃん・おばちゃん、岩岸住職さん達が、とよに掛けてくださった慰めと励ましの言葉はいっぱいいっぱい出てきます。
そして、今でも私を温かい気分にさせてくれます。
とよは、この方たちから受けた恩と感謝の気持ちを忘れることなく、いつまでも大切に大切に心に持ち続けたいと思います。
物語の続き第49話はこちら
源九郎稲荷神社復興活動に続く「源九郎とよのバンコクスパ経営奮闘記」
それまで勤めていた警察を辞めて、タイ、バンコクで新たな挑戦を始めることになったのです。
とよが源九郎稲荷神社復興活動チームから離れて、警察同期生だった親友の助けを得ながら異国タイで奮闘するハチャメチャな様子を綴った物語が「元女性警察官(刑事)コンピがバンコクでスパ経営物語」です。
なんとか成功してお金を貯めて源九郎稲荷神社の社務所を建て替えるのがとよの夢なのですが、新型コロナウィルスのパンデミックもあり、なかなかすんなりとはいかない状態です。
でも、夢をあきらめずにやれるところまで頑張ってみたいと思います。ご興味のある方は、そんな源九郎とよの奮闘状況をご覧ください。
元女性警察官(刑事)コンビのバンコクスパ経営物語