源九郎稲荷神社「語り部氏」中川のおじちゃんとの出会い (源九郎稲荷神社復興物語 第29話)

今回の登場人物
源九郎とよ
源九郎とよ
源九郎とよ(本名土井美苗):復興活動物語のボランティアチームスタッフ代表。この当時は警察官をしておりました。当時は本名を隠してペンネームの「源九郎とよ」で活躍しておりました。
中川おじちゃん
中川おじちゃん
語り部「中川のおじちゃん」:源九郎とよと一緒に神社の復興活動をスタートさせることとなる神社の総代さん。今では神社の「語り部氏」として、雑誌やテレビなどにも取り上げられる神社の顔。陽気で優しくてダンディーな人で、とよが第二の父と仰ぐ存在。

 

親友の1周忌に再び出雲へ~そこで考えたこととは・・・

 

源九郎とよを源九郎稲荷神社へと導いたのは、親友の美里の闘病生活でした。

その美里も亡くなり、すでに1年が経とうとしておりました。

 

8月12日は美里の命日です。

そして、私が大好きだったおばあちゃんの命日です。

 

源九郎とよ
源九郎とよ
美里が逝ってから、早くも1年がたったんだ

月日が流れる早さにとよは驚いておりました。

 

とよはまだ、美里が亡くなってから一度も泣いていませんでした。

よく、その人の死を受け止められないから泣けないと言います。

 

源九郎とよ
源九郎とよ
ご主人がなくなったのに、あの奥さんお葬式で泣きもしなかった

という話を聞きますが、その気持ちがなんとなくわかります。

 

命日が近づくにつれ、私は、自分の気持ちの中で美里のことをどう消化したらいいのかわからなくなっていました。

 

源九郎稲荷神社や郡山八幡宮にお参りに行っても、以前は「美里を死なせない」という、神様との誓いがありました。

 

八幡さんの宮司の奥さんや、むた接骨院の院長先生を見て、

源九郎とよ
源九郎とよ
この人達のように地域の人の心の拠り所になれる場所を作りたい。

 

という夢が、自分の中で生まれたものの、それをどうやって実現したらいいのかは、まだ何も見えないでいました。

 

美里が亡くなった後、すぐに美里の分までがんばって生きて行こうと誓った先輩のキム兄が急死し、

ショックからなかなか立ち直れなくて遠ざかっていた源九郎稲荷神社・・・

 

その源九郎稲荷神社のおじいちゃん宮司さんが亡くなられたことを知り、今後、自分は何をしていけばいいのか・・

さらにわからなくなっていました。

 

 

前回の記事はこちら

 

 

 

そんな中、

源九郎とよ
源九郎とよ
そうだ、美里と旅に出よう・・

 

そんなことを思いつき、様々な場所へ巡礼に出かけました。

 

そんな最中、とよはあることを思い出しました。

 

美里は生前、

美里
美里
元気になったら神々の国、出雲を旅したい

とベットの上で話ていたのです。

 

源九郎とよ
源九郎とよ
・・・・出雲か・・・。

そういえば、変な神社の夢を見て、神社を探す旅の第一歩を踏み出したのも出雲だったな~。

行こうか、出雲へ・・・

 

そしてとよは夏休みを取って、出雲へと車を走らせていました。

 

夜に奈良を出て、島根県には朝早く着きました。

出雲へ足を踏み入れる前に、まず美保関へ行きました。

とよは美保関から眺める日本海がとても好きです。

美保神社のご祭神である事代主が、好んで釣をしていた場所であることに納得がいきます。

 

時間を忘れていつまでも眺めていたい青い海が広がっています。

 

なぜ、この場所に一番に来たかといいますと

美里が入院中、美保神社の鯛の絵がかかれたお守りを欲しがったため

一人でこの美保神社に来て鯛のお守りを買って帰ったのです。

 

そして、この美保関の地蔵埼という断崖に立つ美保関灯台のそばのレストランで、美里に手紙を書いて、そのお守りを送ったのです。

 

とよにとっては、美里のことを思いながら過ごした、あの美保関での数時間の思い出が、とても心に残っていました。

 

そして、このときも・・・。

とても静かで穏やかな時間が流れていました。

 

源九郎とよ
源九郎とよ
この海の向こうに美里がいる天国が、本当にありそうだな~

なんて考えながら、いつまでもいつまでも日本海を眺めていました。

 

美保関の美保神社から始まったとよの巡礼は、その後、佐太神社、八重垣神社、熊野大社、神魂神社、出雲大社、日御碕神社、須佐神社等の巡礼へと続きました。

 

その間、ずっと美里のことを考えていたとよは、こうして亡くなった人のことを忘れないでいることが、一番大切なことのように思えてきました。

 

美里の件で色々と相談に乗ってくれた、不思議な能力を持つかよちゃんが、

 

KAYOちゃん
KAYOちゃん
亡くなることは悲しいことではないんだよ。彼女が現世での役割を終えたことを、がんばったねってねぎらってあげないと・・。

そしたら、また生まれ変わって、次の修行を続けることができるんだから。

と言ってくれたことを思い出しました。

 

 

人が生きることの意味を、とよは美里の死を通して、しっかりと考える時期に来ているのかもしれないと思いました。

源九郎とよ
源九郎とよ
とよが生きる意味・・・。

それは、誰かの役に立つことではないのか?

 

この頃、特にそのことを強く考えるようになっていました。

 

源九郎とよ
源九郎とよ
誰かの心の拠り所になる場所を作るためにはどうしたらいいのか・・

 

そのことを真剣に考えなければいけない時期に来ていることを実感しました。

 

そして、それは、けっして一人ではできないこともわかっていました。

源九郎とよ
源九郎とよ
同じ目線で物事考えられる人、同じ目標を持てる人、同じ方向を向いている人・・・

そんなマスターマインドを探すこと・・・

 

先ず、それが第一歩だと思いました。

そう考えたとよに、この後、すごい出会いが待っていたのです!!

 

源九郎稲荷神社の「語り部氏」中川のおじちゃんとの出会い

 

夏が終わり秋・・・。

シトシトと雨の降る静かな日でした。

 

とよは、こんな雨の日の源九郎稲荷神社がとても好きです。

雨が降ると、汚れた自分の心が禊されるような気がして、神社を訪れたくなります。

 

そんなことから、とよの足はこの日も源九郎稲荷神社へと向いていました。

 

赤い鳥居を潜ると、めずらしいことに社務所が開いていました。

 

そして、年配の男性が座っていたのです。

 

とよは

源九郎とよ
源九郎とよ
やった~!!新しい宮司さんが来た!!

 

と思いました。

 

そして、お参りもそっちのけで、一目散にその男性のところに駆け寄りました。

 

源九郎とよ
源九郎とよ
こんにちわ。

 

はい。こんにちわ
中川おじちゃん
中川おじちゃん

それが、中川のお父さんと私との始めての出会いでした。

 

源九郎とよ
源九郎とよ
あの~。新らしい宮司さんでしょうか?

 

残念ながら、私は宮司ではありません。

宮司が亡くなってから時々社務所を開けに来ている、そこの「ひかり」という食堂のおっさんです。

中川おじちゃん
中川おじちゃん

とおっしゃったその方は、とてもユーモアーのある、楽しい方でした。

 

名前は中川さんとおっしゃられました。

神社のある洞泉寺町の自治会長さんでもありました。(この方が、新聞や雑誌にも取り上げられることとなる「語り部氏」中川さんです)

 

とよはこのおじさんにすぐに打ち解け、そのあと延々1時間以上、お話をすることになったのです。

 

とよは、

 

前の宮司さんのお手伝いをしたこと。

宮司さんが急死して、神社が荒れ放題になって悲しかったこと。

なんとかこの神社をきれいな神社にしたいこと。

 

等を、捲くし立てるようにお話しました。

 

中川おじちゃん
中川おじちゃん
あなたが、神社を掃除に来てくれていたことなど、全く知りませんでした。

宮司さんからは何も聞いていなかったので・・。
そうですか、ありがたいことですねぇ。

 

とおっしゃってくれました。

 

そして、宮司さんが亡くなってから、神社のことが何もわからなくて、とても困っているということを知りました。

この神社の管理費や、奉賛会の会員さんの名簿など、どこにあるのか全くわからないとのことでした。

 

そして、更に、もっと大変なお話を伺いました

宮司さんが当分見つからないということです。

 

それで、中川さんが、しばらく神社庁から神社の管理を任されたことがわかりました。

 

中川さんは、昨年までひかり食堂という割烹料理店の大将をしていたのですが、息子さんに代を譲り引退したそうです。

 

それで、奥さんと二人、自由気ままに過ごしているということでしたが、この神社のことだけは、ずっと気がかりで、なんとかしていかなければいけないと思っているとのことでした。

 

とよは、

 

源九郎とよ
源九郎とよ
この方とはずっと以前から知り合いだったような懐かしさを感じる。この方となら、いっしょに神社を復興していけるかもしれない

と思いました。

 

そして、吉野山で不思議な能力を持つかよちゃんから、岩岸住職を紹介された時に

 

KAYOちゃん
KAYOちゃん
このお坊さんが、源九郎稲荷神社の復興に力を貸してくれることになるから。

そして、あと二人、共に動くことなる人物が、近いうちにきっと現れるから

と言われたことを思い出しました。

 

かよちゃんから予言のような話を告げられたときの記事はこちら↓↓

源九郎とよ
源九郎とよ
あと二人現れる・・・というご神託のうちの一人は、このおじさんなんだろうか?

 

そして・・・

源九郎とよ
源九郎とよ
あのお告げのような話が本当だとしたら、きっとこのおじさんに違いない!!

と確信したのです。

 

でも二人とも、この時はまだ、何をどうしたらいいのか、さっぱりわからない状態でした。

源九郎とよ
源九郎とよ
・・・・とりあえず、この神社をきれいにしなければいけない・・。

なんとかお正月を迎えることができるようにしたい。

半端な気持ちで掃除していたのでは、お正月には間に合わない。

 

と思いました。

 

そして、中川さんに

 

源九郎とよ
源九郎とよ
わたしは源九郎さんにはとてもとても感謝しています。その恩返しに、神社の掃除に来させてもらいます。

私の仕事、休みが結構ありますので、休みはできるだけ来ます!!

と宣言しました。

 

・・・・ここからが、本当の奮闘記の始まりです!!

 

そして、この後源九郎とよはまるで憑りつかれたように、この後、お正月までの間、自分の生活のすべてを神社にささげる日々を送ることになるのですが・・・・その前に!!

 

お告げにあったもう一人の人物が、この後、とよの前に現れることとなるのです!!

物語の続き 第30話はこちらから

 

復興活動物語の目次はこちらから

 

源九郎稲荷神社復興活動に続く「源九郎とよのバンコクスパ経営奮闘記」

 

源九郎とよ
源九郎とよ
源九郎稲荷神社がある程度復興して、多くの方が参拝に来てくださるようになった2014年、とよはある決意をします。

 

それまで勤めていた警察を辞めて、タイ、バンコクで新たな挑戦を始めることになったのです。

とよが源九郎稲荷神社復興活動チームから離れて、警察同期生だった親友の助けを得ながら異国タイで奮闘するハチャメチャな様子を綴った物語が「元女性警察官(刑事)コンピがバンコクでスパ経営物語」です。

 

なんとか成功してお金を貯めて源九郎稲荷神社の社務所を建て替えるのがとよの夢なのですが、新型コロナウィルスのパンデミックもあり、なかなかすんなりとはいかない状態です。

 

でも、夢をあきらめずにやれるところまで頑張ってみたいと思います。ご興味のある方は、そんな源九郎とよの奮闘状況をご覧ください。 


 

元女性警察官(刑事)コンビのバンコクスパ経営物語