源九郎稲荷神社のお火焚祭を執り行う岩岸住職との出会い(源九郎稲荷神社復興物語 第27話)

今回の登場人物
源九郎とよ
源九郎とよ
源九郎とよ(本名土井美苗):復興活動物語のボランティアチームスタッフ代表。この当時は警察官をしておりました。当時は本名を隠してペンネームの「源九郎とよ」で活躍しておりました。
KAYOちゃん
KAYOちゃん
不思議な能力を持つ女性:大神神社の大物主神より、源九郎とよが源九郎稲荷神社を復興させる役割を担って選ばれたというご神託を受ける。さらに、一緒に復興活動の力になる人物として岩岸住職についてもご神託を受け、とよに紹介する。
知足山玄明院岩岸住職
知足山玄明院岩岸住職
岩岸住職:源九郎稲荷神社のお火焚祭の神事を執り行ってくださっている修験(吉野金峯山寺)のお坊様。とよの仏教の先生でもある。

 

年が変わり桜の季節になりました

 

源九郎とよの親友美里が亡くなり、尊敬していた先輩のキム兄が亡くなり、季節は春に変りました。

 

前回、大和郡山八幡宮の宮司の奥様と、神社の氏子さんである「むた接骨院」の院長先生に、何かと励まされ、いつか自分もこの方達のように誰かを励ます存在になりたいと思うようになった源九郎とよですが・・・・

 

前回の記事はこちら
なぜか、まだ源九郎稲荷神社の参拝には足が遠のいたままでした。

 

大晦日と、お正月・・・
源九郎稲荷神社のおじいちゃん宮司さんが一人で準備していることはわかっていましたが、それでも足を運ぶことができないでいました。

 

美里が亡くなる前までは、美里が一時的に小康状態になり、自分のやりたいことができるようになったこともあって、そのお礼参りとして始めた神社の掃除でしたが・・・・・

 

おじいちゃん宮司さんが、一番ひどい状態で荒れ放題の神殿のまわりの掃除を許可してくださらないこともあり、境内は綺麗になっても社殿はおそろしく汚い状態というアンバランスな神社を見ていると、だんだんと掃除する張り合いもなくってきていました。

 

そして、美里が亡ったのをきっかけに、とよは源九郎稲荷神社には行かなくなってしまいました。
それでも、ずっとずっと、神社のことは心に引っかかっており、毎日、頭から離れることはありませんでした。

 

以前、不思議な能力を持つ元巫女さんのかずちゃんとかよちゃんの二人から

 

KAYOちゃん
KAYOちゃん
Toyoちゃんには源九郎稲荷神社を復興させる役目がある

 

と言われましたが、あの宮司さんがいる以上、何も進まないと思いました・・・・

 

さらに、まだダブルKちゃん達の能力を疑っていたとよは、

 

源九郎とよ
源九郎とよ
彼女達は、口から出まかせで復興しろなんて言ってるんだ

 

と思い、あまり信用もしていませんでした。

 

それに、源九郎稲荷神社にかかわるまでは信仰に無縁だっため、神社での作法も全くわからず、神社とどう関わればいいのか正直、全くわかりませんでした。

 

そうやって、いろんな言い訳をみつけて、自分を納得させ、とうとう全く神社には行かなくなってしまったのです。
そのかわり・・・その間は、日吉神社や籠神社、九州の神社などの巡礼を続けていました。

 

けれど、美里が亡くなってから3ヶ月後の巡礼の旅の最中に、美里との共通の友達でだった先輩のキム兄が急死してしまったことから、神様に裏切らたような気分になってしまいました。

 

そんなふうに、友人や先輩の死を通して、神様と向かい合うこととなったとよでしたが、この頃は、ただただ神様から逃げたいという気持ちが強くなり、混乱した日々を送っておりました。

 

なんとか、氏神さまである郡山八幡宮には足を運べるようにはなり、宮司の奥様に励まされながら、少しずつ神様を大切に思う気持ちが蘇りつつはありました、
けれど、それはとても歩みの遅いものであり、とうとう年が変って桜の季節になってしまっても、未だに源九郎稲荷神社には参拝できずにおりました。

 

桜の山寺「金峯山寺」で出会った岩岸住職さん

 

そんな折、かよちゃんから意外なお誘いがありました。

 

KAYOちゃん
KAYOちゃん
吉野山の桜を見に行くんやけど、一緒に行かない?

 

かよちゃんの仕事は、実はホテル経営をしている女性起業家になるのですが、同時にプロのベリーダンサーであり、そのダンスの腕は世界大会で3位になったこともある凄いものでした。

 

かよちゃんは、もう一人の霊視能力があるかずちゃんが経営している斑鳩町のカルチャースクールでもベリーダンスを教えており、とよは、いつの間にかかよちゃんのベリーダンスのレッスンを受けに行くようになっておりました。

 

この頃には、かよちゃんと出会った最初の頃に抱いた「怖さ」というイメージはなくなっていましたが、とよはなかなか彼女の自由奔放な性格には慣れないでおりました。

 

なので、一瞬躊躇したのですが・・・

 

KAYOちゃん
KAYOちゃん
他にも一緒に行く人がいるので紹介するね

 

ということだったので、二人きりじゃなければいいかと思い、誘いを受けました。

 

そして、現地で待ち合わせとなりました。

 

かよちゃんは、年配の男性一人(かよちゃんの叔父さんで、のちにRENEの系列会社の会長となる方)と、30歳代の可愛らしい女性(かよちゃんの友達)と一緒でした。

 

二人共、温厚そうな感じのいい人でした。

 

とよは、てっきりかよちゃんが紹介するといったのは、彼ら二人のことだと思っていたのですが、その後、蔵王堂に着いた時に、かよちゃんが

 

KAYOちゃん
KAYOちゃん
本当に紹介したいのは、このお堂の中にいるから
と言ったのです。

 

どうも、彼女が言うと、紹介されるのは人間じゃないような気がしました~!!

 

源九郎とよ
源九郎とよ
目に見えない幽霊とか、妖怪とか、そういうたぐいの物じゃないかな

 

と、少し不安になりました。

 

蔵王堂は、桜の季節だけあって、すごい人でした。

 

 

その沢山の人の中からかよちゃんはお目当ての物を見つけたようで

 

KAYOちゃん
KAYOちゃん
居た居た。Sちゃん!!
と大声で叫びました。

 

かよちゃんは、本当、いつも周りを気にしないでの、びっくりします。
参拝者の方は一斉にとよ達の方を注目しました。

 

でも、かよちゃんは、全く気にせず、さらに

 

KAYOちゃん
KAYOちゃん
Sちゃん~!!

 

と大声で呼んでいます。

 

そして・・・振り返ったのは、忙しそうに働いていたお坊さんでした。

 

お坊さんは苦笑いしながら、私達に近づいて来て

 

知足山玄明院岩岸住職
知足山玄明院岩岸住職
恥ずかしいから、大声で呼ぶなよ

 

と言いました。

 

かよちゃんが、とよを彼に紹介すると、彼は礼儀正しく頭を下げて、自分の名前を名乗られました。

 

源九郎とよ
源九郎とよ
・・・ん?どこかで聞いたことがある名前のような・・
そうです、彼こそが斑鳩町の地域役員のHさんが

 

斑鳩町地域役員 Hさん
斑鳩町地域役員 Hさん
吉野の世界さんの寺金峯山寺に若いけど、将来有望な僧侶がいる

 

と良く話していた岩岸住職だったのです。
(美里が成仏できていないと分かった時に、法要を執り行って下さったお坊様でもあります)

 

でも、とよはまだこのお坊さんが岩岸住職だとはピンと来ていませんでした。
なにせ、お坊さんって名前の一文字が同じ人が多いから、本当に区別がつかないのですよね〰

 

彼は、とても感じのいい方でした。

 

なによりも顔が一休さんみたいに幼顔でとても可愛らしいのに、関西弁のおっさん言葉で喋られるギャップがすごくて、不思議な魅力がありました。

 

すでに、かよちゃんと一緒に来たお二人とは面識があるようで、親し気にお話しされていました。

 

お二人は、岩岸住職のことを「Sさん」と下の名前で呼ばれていました。
でも、かよちゃんだけは、名前の一文字を取って「Sちゃ〰ん」と呼んでいました。

 

源九郎とよ
源九郎とよ
なんで、ちゃの後を飲み屋のお姉さんみたいに、伸ばして呼ぶかな?
と、内心で思いました。

 

やはり、彼女にとっては、お坊さんでも年上の人でも関係ないようで、それが彼女の奔放でフレンドリーなところであり彼女の不思議な魅力なっていました。

 

これが、とよと岩岸住職の初めての出会いになるのです。

 

(金峯山のお坊さんは、それぞれ自分の塔頭を持っておられ、岩岸住職も大阪に自分のお寺を持っておられます。なので、普段は自分のお寺でお勤めをされていますが、本山の行事がある時は、このようにお手伝いに山に上がられるのです)

 

そして・・・やはり岩岸住職と出会った場所も
「金峯山寺」という世界遺産のお寺であり、蔵王権現様というすごい仏様がいらっしゃる
ところになります。
一緒に力を合わせる人や、励ましてくださる人、力になってくださる人、何かを教えてくださる方との出会いには、神社やお寺や神様や仏様が関係しています。

 

また吉野山という地は、源九郎稲荷神社の社伝を知っておられる方や、歌舞伎の「義経千本桜」の演目をご存知の方は
この場所が、源九郎稲荷神社の名前のゆかりとなっている「源九郎狐」や、ご祭神である源九郎大明神様と深い関わりのある地
だとお分かりになると思います。

 

そしてこの時、かよちゃんが

 

KAYOちゃん
KAYOちゃん
前に三輪さんに行ったとき、私は大物主様から源九郎稲荷神社の復興の駒となる人物が出てくるとご神託を受けたやろ。

 

あれな、Sちゃんのことやねん。

 

きっと、この先彼が神社の復興に力を貸してくれることになるから

彼自信も、まだ自分の役割には気が付いてないから~。気づくまでもう少し待っときな~

 

それから、あと2人、共に復興活動をしていく人が現れるからね~。

 

と言いました。

 

大神神社の大物主様から、かよちゃんがご神託を受けたという話はこちら

 

 

そして、このことはまさしく本当のこととなり。岩岸住職は源九郎稲荷神社のお火焚祭を執り行ってくださる等、神社にとってなくてはならない方になっていきます。

 

かよちゃんと岩岸住職が知り合った経緯

 

ここで、かよちゃんと岩岸住職が知り合った経緯を紹介しておきますと・・・・

 

二人は金峯山寺の世界遺産イベントの時に知り合ったそうです。

 

斑鳩町の地域役員をされていたHさん(カルチャーセンターを経営する元巫女で霊能力があるかずちゃんの義理の父)が、元イベントのプロデュースをしていた関係で、ベリーダンサーであり、世界大会3位という実績を持つかよちゃんもイベントに度々呼ばれたそうです。

 

その時に、金峯山寺側のイベント担当者であった岩岸住職と知り合いになったそうです。
かよちゃんと岩岸住職は年も近く、出身も同じ大阪だということと、意外にもとても信仰深いかよちゃんとはすぐに親しくなったとのことでした。

 

Hさんは、とよによく岩岸住職のことを話てくれました。

 

金峯山では若手の筆頭株であり、とにかく拝むのが大好きで、数多くの仏様を拝める作法を取得されてるそうです。

 

また抜群に頭が良くて、なんと物理博士でもあり、横笛奏者で有名な雅楽団の理事もされていて、かなり多彩な能力の持ち主だそうです。

 

そして・・・
岩岸住職も、かよちゃんの不思議な能力は知っていましたが

 

知足山玄明院岩岸住職
知足山玄明院岩岸住職
確かに彼女には不思議な能力があるけど、その力に飲まれないでいてくれたらいいんやけどなぁ

 

といつも心配しておられました。

 

金峯山寺は修験宗の総本山になるのですが、このお寺のお坊さん達のように山伏系のお坊さんは、かよちゃんと同じような能力を持つ方が沢山おられるそうです。

 

でも、お坊さん達は厳しい修行を積まれているので、その能力をコントロールする力を備えていますが、かよちゃんのように、普通の人がそういった能力を持った場合、自分は特別な存在だと思い込んだり、人をその力で惑わせて自分の思うように洗脳しようとしたりするケースが多いのだそうです。

 

この時の岩岸住職との出会いは、ほんの数分のことでしたが、神仏に仕える方独特のオーラをまとっておられ、とても神々しい印象受けた方でした。

 

その後、とよはかよちゃんに誘われて、正式に岩岸住職の大阪のお寺へお参りに行きました。
そこで、いろんな仏様にまつわる楽しいお話を聞かせていただき、信仰って面白いかもしれないと思うようになりました。

 

岩岸住職は、山で修行を積まれたりと大変厳しい修行をされているのですが、信者さんには「楽しくお参りをしていただく」というのをモットーとしておられるため、いつも楽しく場を盛り上げてくださり、無知な私に、神様仏様とお付き合いさせていただく作法を等を、優しく分かりやすく教えてくださいました。

 

かよちゃんから、この岩岸住職が、源九郎稲荷神社の復興活動の力になってくれる人だと言われたものの、一旦遠ざかってしまった源九郎稲荷神社には、まだ足を運ぶ機会を見つけられず、住職に源九郎稲荷神社の話はしませんでした。
そして、いつしか時は夏へと変わっていたのです・・・・・。

 

物語の続き 第28話はこちらから

 

復興活動物語の目次はこちらから

源九郎稲荷神社復興活動に続く「源九郎とよのバンコクスパ経営奮闘記」

 

源九郎とよ
源九郎とよ
源九郎稲荷神社がある程度復興して、多くの方が参拝に来てくださるようになった2014年、とよはある決意をします。

 

それまで勤めていた警察を辞めて、タイ、バンコクで新たな挑戦を始めることになったのです。

とよが源九郎稲荷神社復興活動チームから離れて、警察同期生だった親友の助けを得ながら異国タイで奮闘するハチャメチャな様子を綴った物語が「元女性警察官(刑事)コンピがバンコクでスパ経営物語」です。

 

なんとか成功してお金を貯めて源九郎稲荷神社の社務所を建て替えるのがとよの夢なのですが、新型コロナウィルスのパンデミックもあり、なかなかすんなりとはいかない状態です。

 

でも、夢をあきらめずにやれるところまで頑張ってみたいと思います。ご興味のある方は、そんな源九郎とよの奮闘状況をご覧ください。 


 

元女性警察官(刑事)コンビのバンコクスパ経営物語