見捨てられた源九郎稲荷神社の神様と筋ジストロフィーの少女の死(源九郎稲荷神社復興物語 第18話)

今回の登場人物
源九郎とよ
源九郎とよ
源九郎とよ(本名土井美苗):復興活動物語のボランティアチームスタッフ代表。この当時は警察官をしておりました。当時は本名を隠してペンネームの「源九郎とよ」で活躍しておりました。
おじいちゃん宮司さん
おじいちゃん宮司さん
おじいちゃん宮司さん:先代の宮司さん。ご高齢で吉野から通われていましたが、ガンでお亡くなりになりました。
美里
美里
美里:とよの親友。癌で余命3か月の命。とよの警察同僚のHくんとは高校の同級生
みっちゃん
みっちゃん
とよの親友「美里」の元教え子。筋ジストロフィーで闘病生活を続けている。癌で闘う美里を常に励ます存在

 

2008年、親友の癌の余命宣告から、なんとか少しでも親友の力になりたいと思い、荒廃した源九郎稲荷神社のお掃除お始めた源九郎とよですが、神社のお掃除を始めてから、今までに出会ったことがないような不思議な人達との縁が待っておりました。

 

 

そして、一時的に小康状態になった親友が退院したことで、とよは源九郎稲荷神社へと自分を導いた夢に出て来た三角錐の島の神社を探す巡礼の旅を続け、世界遺産の神社である厳島神社の近くにその島のあることを発見しました。

 

その島がどういう意味を持つのかは、とよにはまったくわかりませんでしたが、夢に出て来たこの島を発見できたことで、とよはなぜか
源九郎とよ
源九郎とよ
やっとスタート地点に立てた
という気がしました。
なんのスタートなのか?

 

それすらわかりませんでしたが、この島との出会いは何かを予感しているような気がしました。

 

 

寂しい寂しい・・・源九郎稲荷神社

 

そして、巡礼の傍ら、相変わらずとよは、源九郎稲荷神社のお掃除に行く日々は続いておりました。特に年末は、お正月を迎える準備のため、おじいちゃん宮司さんにこきつかわれてヘトヘトになっておりました・・・・。

 

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なんとか宮司さんと一緒に神社を綺麗にして年神様をお迎えすることができるようになりましたが、やってきた大晦日は・・・

 

とよのほか、誰も神事に立ち会う人がおらず、宮司さんだけでなく、源九郎稲荷神社の神様に対しても、なぜかとても可哀想に思えてしまいました。

 

やはり神様は、大勢の人にお参りに来ていただくのが一番嬉しいのだと思います。

 

この時、そのことを実感した源九郎とよでした。

 

門松が置かれて少しだけお化粧をしてもらった神社ですが、境内を吹き抜ける風はとても冷たく、誰一人として参拝に来る人はなく、まるでこの神社だけが異空間のように感じました。
おじいちゃん宮司さん
おじいちゃん宮司さん
いつもはな〰、わし、ひとりで大晦日の大祓いの神事などを行っててんけど、今回はあんたが来てくれたから嬉しいわ~。

神さんも喜んではるわ~

 

と宮司さんはおっしゃっていましたが、とよには神様が喜んでいるようには思えませんでした。

 

この頃のとよは、まだこの神社が「義経千本桜」の四ノ切に登場する源九郎狐ゆかりの神社だとは知りませんでした。

 

普通の地域の氏神様だと思っていたのですが、それも間違いで、氏神様ではなくて大和郡山市の鎮守であること等も知り、本当に

 

源九郎とよ
源九郎とよ
どうしてこんな由緒のある神社が、こんなに寂れてしまったのか?

と、怒りにも似た寂しさを感じることとなり、それが原動力となって神社の復興活動へ続いていくことになるのですが・・・

 

まだ、神社のことを何も知らないとよは、この時、とにかく、ただただ、なんともいえない寂しい気分を味わったのです。

 

 

この頃の神社は、まさしく

 

人々から見捨てられた源九郎稲荷神社
だったのです。

 

癌で闘病中の美里を励まし続けた筋ジストロフィーの少女の死

お月仕事もあるため、ほとんど普段と変わらない生活を送っていたとよですが、1月3日に、自宅で闘病中の親友美里からメールがきました。

 

美里
美里
みっちゃんが昨日、息をひきとりました。

今まで、よくしてくれてありがとう。

仲良くなれて、とてもよろこんでいました。

 

とよは、美里からのラインの内容に、暫く携帯電話を握り締めたまま、動くことができませんでした。

 

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とよは、1度もみっちゃんに会ったことはありません。

メールのやりとりで、彼女の暖かい人柄に触れ、仲良くなれて感謝しているのはとよの方でした。

でも、彼女に、何もしてあげることができませんでした。

 

みっちゃんは、美里の病気を知ってから、美里のことをとても心配でいたそうです。

 

でも、彼女は筋ジストロフィーの病状が進み、両手を使うことができなくなっていました。

美里は、元気なときは、2週間に1度、必ずお見舞いに行っていました。

 

というのも、みっちゃんの入院しているところは、隔離病棟であり、誰もが入れるところではなく、決められた者だけが、決められた日に面会するしかできませんでした。

 

そんなことから、美里が入院してからは、みっちゃんのお母さんがみっちゃんの手となり、美里に励ましのメールをうってくてくれていたそうです。

美里
美里
自分も明日あるかどうかわからない命なのに、私のことを心配して励ましてくれるねん。

 

と美里はいつも言っていました。

 

彼女が、辛い治療にもがんばれたのは、みっちゃんの励ましのお陰だと思います。

 

そしてみっちゃんも、美里からの励ましのメールと、美里が頑張って戦っている様子を聞かされて、がんばれたんだと思います。

 

・・・それだけに、私は、このまま美里も後を追って逝ってしまうのではないかと、すごく不安になりました。

 

美里に返事を返せたのは、数時間後でした・・・。

電話をして、美里の声を聞く勇気はありませんでした。

源九郎とよ
源九郎とよ
あんたは大丈夫なの?

気弱にならないでいてよ!!

 

う返すのが精一杯でした。

 

美里からは、

美里
美里
みっちゃんのことは、何年も前から覚悟していたから大丈夫だよ。

精一杯がんばったから、誉めてあげないとね。

私は、まだまだくたばらんから!!

という返事が返ってきました。

美里の方が、とよに気を遣ってくれているのがよくわかりました。

 

・・・・でも、やはりみっちゃんの死は、美里の生きようとする力を急激に奪っていったような気がします。

 

この先、美里の新たな闘いが始まるのです。

 

次回第19話の記事はこちら

源九郎稲荷神社復興活動に続く「源九郎とよのバンコクス経営奮闘記」

 

源九郎とよ
源九郎とよ
源九郎稲荷神社がある程度復興して、多くの方が参拝に来てくださるようになった2014年、とよはある決意をします。

それまで勤めていた警察を辞めて、タイ、バンコクで新たな挑戦を始めることになったのです。とよが源九郎稲荷神社復興活動チームから離れて、警察同期生だった親友の助けを得ながら異国タイで奮闘するハチャメチャな様子を綴った物語が「元女性警察官(刑事)コンピがバンコクでスパ経営物語」です。

なんとか成功してお金を貯めて源九郎稲荷神社の社務所を建て替えるのがとよの夢なのですが、新型コロナウィルスのパンデミックもあり、なかなかすんなりとはいかない状態です。

でも、夢をあきらめずにやれるところまで頑張ってみたいと思います。ご興味のある方は、そんな源九郎とよの奮闘状況をご覧ください。 


元女性警察官(刑事)コンビのバンコクスパ経営物語