中村勘九郎丈の「義経千本桜」千秋楽に源九郎稲荷神社スタッフで行ってきました!(源九郎稲荷神社復興物語 第94話)

今回の登場人物
源九郎とよ
源九郎とよ
源九郎とよ(本名土井美苗):復興活動物語のボランティアチームスタッフ代表。この当時は警察官をしておりました。当時は本名を隠してペンネームの「源九郎とよ」で活躍しておりました。
中川おじちゃん
中川おじちゃん
語り部「中川のおじちゃん」:源九郎とよと一緒に神社の復興活動をスタートさせることとなる神社の総代さん。今では神社の「語り部氏」として、雑誌やテレビなどにも取り上げられる神社の顔。陽気で優しくてダンディーな人で、とよが第二の父と仰ぐ存在。
中川おばちゃん
中川おばちゃん
中川のおばちゃん:語り部氏の奥様。神社の境内で四季折々のお花を育てているお花の守人。陽気で優しくて、笑っているところしか見たことがない朗らかな人

 

中村勘九郎さんの源九郎狐さんはちょっぴりデカいけど可愛い狐さんでした

 

中村勘九郎さんを源九郎稲荷神社にお迎えした際、勘九郎さんから襲名披露公演は「義経千本桜四ノ切」が演目だと教えていただきました。

勘九郎さんが帰られた後、さっそく源九郎稲荷神社スタッフである源九郎とよ、中川さんご夫婦は、勘九郎さんの襲名披露公演のチケットを買うことにしましたが・・・・・

名古屋「御園座」公演の、しかも千秋楽のチケットしか残っておりませんでした。

 

源九郎とよ
源九郎とよ
名古屋なら近鉄電車ですぐだし名古屋でもいいか!!

ということで、ボランティアスタッフに

源九郎とよ
源九郎とよ
見に行きたい人手を上げて~

ということになったのですが、みなさん仕事を持っていおられるので、結局メンバーは

中川のおじちゃん、おばちゃん、住岡先生(おばちゃんのお友達の元小学校の先生でボランティアスタッフの一人)

となりました。

 

ということで、

10月26日

六代目 中村勘九郎襲名披露

第48回 吉例顔見世 夜の部

義経千本桜

を見に行くことになったのです!!



中村勘九郎さんの楽屋見舞いに行きました

 

開演の前に、勘九郎さんの楽屋にお見舞いに行きました。

勘九郎さんは、昼の部が終わったばかりだというのに、気持ちよく私たちを迎えてくださいました。

 

楽屋には、源九郎稲荷神社から贈呈した

源九郎狐のお面と源九郎稲荷神社のお札

が飾られていました。

このお面は、中川のおじちゃんが勘九郎さんが神社に参拝くださった時にプレゼントしたものです。

 

そして、参拝の際に地域の子供達と一緒に撮影した写真も飾られていました。

 

私はこの日、初めてその写真を見たのですが、

子狐達に囲まれた笑顔の勘九郎さんの写真

が、とてもとても素敵でした。

 

勘九郎さんは、とても丁重に感謝の言葉を述べてくださって、この方は、本当に偉そうにしないし気持ちのいい人だな・・・と改めて思いました。

 

「楽しんでいってください」

と言ってくださった、その言葉の裏には、

「最高の源九郎狐をお見せしますから」

という思いが込められているような気がしました。

 

そして、楽屋の前には、奥様の

前田愛さん

が!!

 

お母さんになられて、益々美しさに磨きがかかっていました。

本当に綺麗でしたよ~



S 先生は、愛さんの大ファンであり、

「愛ちゃん、愛ちゃん」

と勘九郎さんにお会いできたことより、奥さまにお会いできたことに興奮していて、早々に握手をしてもらってきゃぁーきゃぁー言っていました。

 

愛さんも、勘九郎さんと同じで、とても腰が低くて愛想のよい素敵な方でした。

 

 

そして、楽屋を後にした私達は、もう開演が待ちきれなくて、ワクワクソワソワしていました。



いよいよ中村勘九郎さんの舞台が始まりました

 

夜の部は

1 鬼一法眼三略巻

2 口上

3 義経千本桜(道行初音旅・川連法眼館)

という演目でした。

 

 

道行初音旅では、花道から登場した

中村七之助の静御前

が、息をのむほども美しすぎて・・・・・

 

源九郎とよ
源九郎とよ
なんなんですか~

あの上品で艶っぽい色気は!!!!!

誰もかなわない美しさです!

 

吉野山の桜の美しさをご存じの方ならわかると思いますが、桜の花びらが散る時の美しさが、七之助さんの静の舞と重なりました。

源九郎とよ
源九郎とよ
なんとも、はかなげで・・・

 

義経を思い慕うそのいじらしい思いが、痛いほど伝わってきました。

そして、静が打つ初音の鼓の音色に誘われるように登場した

勘九郎さんの狐忠信

のなんともりりしいこと!!

 

静の持つ鼓を慕い、時折見せる狐の顔・・・・

それが、とてもいじらしくていじらしくて・・・

 

狐忠信が屋島の合戦の様子を再現する場面では、その迫力にびっくりしました。

 

そして・・・二人は吉野山を分け入り、場面は川連法眼館へと移ります・・・

 

ここでは、狐忠信とはうって変わって、勘九郎が演じる本物の佐藤忠信のなんとも貫禄のあること!!

狐忠信は、まだどこか幼さの残るりりしい青年という感じでしたが、佐藤忠信は、義経の重臣であるという人物の大きさを感じました。

 

顔は同じでも、まったく別人の忠信を見事に演じ切っていました。

 

そして・・・ついに源九郎狐の登場です。

佐藤忠信に姿を変えた偽物の忠信を捕まえようと初音の鼓を打つ静御前・・・・

 

そして、その鼓の音色に誘われて、狐忠信の登場です。

花道から登場すると思っていた私は、階段から突如現れた狐忠信にびっくりしました。

 

なんともすごい演出です!!

そして、静が狐忠信を問い詰めていく場面は、緊迫感が溢れていて、まったく目が離せません!

勘九郎さんの海老ぞりの見事なこと!!

 

静の追及についに観念した狐忠信は、源九郎狐の本性を現します。

狐忠信から源九郎狐への早変わりにはど肝を抜かれました!

 

 

源九郎狐へと姿を変え、これまでの経緯を語る場面では、子ぎつねの親を思う心情が見事に出ていて、涙がポロポロと出て止まりませんでした。



その姿を見ていて、

やっと、やっと源九郎狐さんに出会えた!!

と思いました。



中川のおじちゃんも、後で同じことを言っていましたが、源九郎稲荷神社をお祀りしている私たちにとって、源九郎狐という存在は、

愛おしくて愛おしくて

ならない存在なのです。

 

そして、両親への孝行を果たせなかった哀しみを独特の「狐詞」で語る場面では、もう涙が止まりませんでした

源九郎狐の哀しみが会場全体に伝わるすばらしい場面でした。

 

その後、源九郎狐の姿に肉親の情愛薄く育った自分の生い立ちを重ねた義経が、初音の鼓を源九郎狐に授けると、子狐は全身で喜びを表現します。

 

哀しみから一転して喜び飛び回る源九郎狐

みごとな表現力でした。

 

そして最後に、鎌倉方に心を寄せる吉野山の悪僧たちが夜討ちをかけようと企んでいるので、自分の神通力でこれをやっつけると語ると、義経と静御前に暇を告げて、花道を帰って行きます。

 

この最後の花道を飛び跳ねながら帰って行く姿は、本当に狐が跳ねているように見えました。

まるで源九郎狐がのり移ったような迫力でした。

 

終わってからも、感動でしばらく動けませんでした。

隣に座っていた中川のおじちゃんも固まって動けません。

 

こんなに感動し感激たのは、本当に久しぶりです。

見終わったすぐに、

源九郎とよ
源九郎とよ
また観たい!!

と思いました。

 

そして・・・・

この勘九郎さんの源九郎狐を大和郡山の子供たちに見せてあげたい!!

そう思いました。

 

人は

感動し、感激して始めて、感謝することができる

と聞いたことがあります。

 

こんな素晴らしい感動を与えてくださった勘九郎さんに心から感謝したいと思います。

ここまで素晴らし演技をされるまでには、血の滲むような稽古の積み重ねがあったことでしょう。

 

本当にこの感動を、子供たちにも味あわせてあげたいです。

大和郡山で源九郎狐を演じてほしいです。

 

勘九郎さんの源九郎狐を見れば、子供たちは多くのことを学ぶと思います。

誰かに感動を与えられる大人になりたいと思うはずです。

そんな日がいつかきたらいいのにと思いながら、いつもまでも感動の余韻に浸っていました。

 

 

劇場を出る時、すれ違う人、すれ違う人が次々に口を揃えて

すごかった

と言っているのを聞き、本当に多くの方が感動し興奮したことがわかりました。

 

源九郎とよ
源九郎とよ
源九郎さんにやっと会うことができて私はとても幸せです。

勘九郎さんありがとうございました。

 

そして・・・

源九郎とよ
源九郎とよ
できれば今度は・・・市川猿之助さんの演じる源九郎狐も観てみた・・・

なんて、さらに贅沢な欲望が湧きあがってきておりました。

 

 

物語の続き第95話はこちら

 

復興活動物語の目次はこちら

 

 

源九郎稲荷神社復興活動に続く「源九郎とよのバンコクスパ経営奮闘記」

 

源九郎とよ
源九郎とよ
源九郎稲荷神社がある程度復興して、多くの方が参拝に来てくださるようになった2014年、とよはある決意をします。

 

それまで勤めていた警察を辞めて、タイ、バンコクで新たな挑戦を始めることになったのです。

 

とよが源九郎稲荷神社復興活動チームから離れて、警察同期生だった親友の助けを得ながら異国タイで奮闘するハチャメチャな様子を綴った物語が「元女性警察官(刑事)コンピがバンコクでスパ経営物語」です。

 

なんとか成功してお金を貯めて源九郎稲荷神社の社務所を建て替えるのがとよの夢なのですが、新型コロナウィルスのパンデミックもあり、なかなかすんなりとはいかない状態です。

 

でも、夢をあきらめずにやれるところまで頑張ってみたいと思います。ご興味のある方は、そんな源九郎とよの奮闘状況をご覧ください。 

 

元女性警察官(刑事)コンビのバンコクスパ経営物語