復興活動から話が少し横道にそれてしまいましたが、前回、龍のことについてお話したので続けて少し面白い話をご紹介したいと思います。
警察を辞めたは源九郎とよは、時間的余裕ができたことから頻繁に源九郎稲荷神社に通うようになりました。
源九郎稲荷神社の復興活動に携わった当初は、警察の激務の中、合間を縫って神社の活動をしておりましたが、警察を辞めてからは、
と嬉しく思っていました。
夢に出てきた源九郎稲荷大神様からのお願いとは?
そんある日、ある夢を見ました。
源九郎稲荷神社でお参りをしていた私に、源九郎稲荷大神様がささやいてきました。
というものでした。
この〇〇加茂神社の〇〇ところは、何と言ったのか、良く聞こえませんでした。
京都には、上賀茂神社と下賀茂神社の2つがあることは知っていましたので、ネットで上賀茂神社と下賀茂神社の近くに龍神伝説とか残っていないか調べましたが、ピンとくるものが見つかりません。
貴船神社とか龍を祀る神社等はいくつかありましたが、どうも違うような・・・
そこで・・・学生時代、京都の観光ボランティアをしていたという、この復興活動物語でも時々登場の「不思議な能力を持つKちゃん」にも聞きました。
どっちの神社も頻繁に訪れたけど、記憶にないわ〰
と言いながら、iPadを取り出して調べ始めました。
ここなら龍が祀られているよ
と言われましたが、源九郎さんははっきりと「〇〇かも神社」と言ったのは間違いないので、違うと思いました。
他にも、色々と龍神様を祀っている神社は見つかりましたが、どれも違いました。
喫茶店で、女二人が必死で龍神探しをしているのは、かなり異常な光景だったと思います。
あ〰やこ~やと言いながら、約1時間程が経ちました。
となり、「狐と竜」という単語で検索してみました。
そして、そのキーワードで探しているうちに、とある人のブログに行きつきました。
物語風に書かれてあるブログで、ブログに書かれていることは作者の単なる妄想なので信じないでくださいというような但し書きがされていました。
なんと、登場人物の中にはGENKUROU(源九郎)さんもいました。
この方のブログは、現在は閉鎖されているのですが、とてもおもしろいことが沢山書いてありました。
最初は、この方の作り話なんだろうなと思いながら読んでいましたが、なんと、その中に上賀茂神社の近くに祀られている龍神の姫のことが書いてあったのです。
と思いました。
Kちゃんは、以前に紹介しましたが、小さい時から神様が見えたり神様の声が聞こえたりといった不思議な能力を持った子です。
小さい時には四天王寺の境内で九頭竜と遊んでいたという変わった子なのですが、その彼女が
この人のブログ、妄想でもなんでもないよ。本当のこと書いてるよ
と言っていたので、私は心臓をバクバクさせながら、このブログの話を何度も読み返しました。
そんなことから、私達は龍の女神を探し出すことができたのですが、実際のところは、源九郎さんが龍の女神を探せと言ったのは、この龍の女神に関わった、このブログの中の女性を探せということだったのだと思います。
その女性とは、なんと1年後にお会いすることができ、源九郎さんの過去と現在が1つの線で結ばれました。
また、その方とお会いしたおかげで、源九郎稲荷神社を中心として、今後何をしていかなければならないのかもわかりました。
それが何なのかは、この復興活動物語の中で今後ご紹介していけると思いますが、今回は、そのブログに書かれていた、その女性と龍の姫に関するとても面白い話をご紹介したいと思います。
二葉稲荷神社に住む龍の姫
龍の女神が祀られていたのは、上賀茂神社の裏手の稲荷社でした。
二葉姫稲荷神社
と言います。
いくら龍神で探しても見つからなかったはずです。
龍神ではなく、稲荷神として祀られていたのですから・・・
ほぼすべての関係者が二葉姫稲荷と関わることを嫌っており、創建の経緯も隠されてきた
八嶋龍神というのは龍神を祀る際に広く用いられる抽象的名称に過ぎず、埋め立て地の龍神を祀ったという話は、おそらく後付けでできたものだろう。二葉姫自身が龍神としても祀られているのだろう」
西暦672年に起きた壬申の乱(じんしんのらん)の後、天皇に即位するはずであった草壁皇子(くさかべのおうじ)が亡くなり、後継者の軽皇子(かるのおうじ)が幼かったため、草壁皇子の母である鸕野讚良(うののさらら)が持統天皇(じとうてんのう)として即位し、のちに成長した軽皇子が文武天皇となった。
その間に、現在の奈良県橿原(かしはら)市に、我が国最初にして最大の都城・藤原京が造営された。これに伴い、「飛鳥浄御原令(あすかきよみはらりょう)」という法が制定された。この法の元、藤原京の安寧(あんねい)を万全のものとせんがために、都周辺の有力な国津神や荒神、土蜘蛛といった、「まつろわぬ者」たちの大封印作戦が執行されたのである。
承知のように、天皇家は天津神、天孫降臨族の子孫であり、当時は皇族たちの身体に、神々の血がまだ色濃く残っていた。天津神とは立場を異にする国津神の一族や、どちらにも属さない土蜘蛛の一族は、天孫降臨族系である大和政権にとっては常に不安材料であり、彼らを一掃する必要があった。大蛇(おろち)の姫である二葉姫は、西暦700年、新羅(しらぎ/古代の朝鮮半島にあった国)から招かれた道師108人によって、現在の二葉姫稲荷神社の地へと封印されたのである。
さらに、その怨霊化した魂を稲荷の力をもって封じ込めるため、稲荷神社が建てられた。稲荷神を使って怨霊封じを行うのは比較的よく行われることである。
二葉姫稲荷神社の社は上・中・下段、外側・内側から幾重にも封印の札が貼られており、古いお札の中には国宝指定されたものすらある。
それでも二葉姫の魂を完全に封じ込めることは難しく、荒ぶる御霊が何度も社から抜け出しては、さまざまな時代で怪異を起こしてきた。
「厄除け大師」「元三大師(がんさんだいし)」などの通称で知られる天台宗の高僧・良源(りょうげん/正式な大師名は慈恵大師)は、二葉姫の御霊を鎮めようとして敗退している。
彼の高弟で、恵心僧都 (えしんそうず )と呼ばれた源信 (げんしん)も同様に失敗しているが、二葉姫は自分の姿絵を描くことを源信には許している。(源信が二葉姫の画を描いたのは平安中期のことだが、後の世でこの絵は何度も写し絵の題材となっている。「安珍・清姫」の清姫の肖像として伝わっているものもあれば、もっとも有名なものは、明治~昭和にかけて活躍した女流日本画家・上村松園が幽霊画として描いたものである。)
あなたの力で二葉姫を何とかしてほしい
狐の姫と龍の姫の対決
二葉姫稲荷神社の調査に入った女性のことを、ここでは「狐の姫」と呼びたいと思います。
そして、二葉稲荷神社に鎮座されている神様のことを「龍の姫(二葉姫)」と呼ぶことにします。
狐の姫が二葉姫稲荷に到着したとき、神社の入り口には縄が張られていて「立ち入り禁止」の札が掲げられていたそうです。
なので一般の参拝者は入れないようになっていました。
狐の姫が調査に入るため、その日だけ、一般の参拝者が入れないようにしてくれているのかと思ったそうですが、神社は掃除も全くされておらず、ゴミもひどく荒れ放題だったので、普段から誰も入れないようにしていたようです。
そして・・・・
彼女が到着した時、境内にお坊さんの幽霊が4体いたそうです。
二葉姫稲荷神社は、神社に伝わる縁起では、
西暦700年に新羅から招かれた導士108人によって、現在の二葉姫稲荷神社の地へと封印された
と、なっています。
この後、狐の姫が二葉稲荷神社の封印を解く儀式を行うことになるのですが、その時の狐の姫と龍の姫のやり取りを会話形式でご紹介したいと思います。
この調査には、狐の姫には、エージェント役の某氏とチーフアシスタント、そして地元新聞社の記者3人が同行したそうです。
狐の姫が、二葉稲荷社へ近づいたところ、すぐに
封印なんてされてないね。
と、予想外ことを言ったそうです。
もともと封印なんてされていないよ。
じゃあ、今も、龍の姫は、祠の隙間から出入り自由だってことですか~?
ということで、同行した3人は、なにがなんやら理解できず、ただただ「封印されていないなんて怖い」と思いながら、狐の姫の様子を見ていました。
狐の姫たちが立ち入り禁止の縄を越えて中に入ると、山門に吊り下げられた大提灯が風もないのにぐるぐると回りだしたそうです。
狐の姫以外の一同は度肝を抜かれ、逃げ出したくなるほどの恐怖心を覚えたそうです。
その後、狐の姫が神殿の前で手を合わせたので、他の者は、少し離れたところで恐々様子を見ていたそうです。
しばらくすると、狐の姫の頭に二葉姫の声が響いてきました。
けれど、狐の姫と二葉姫との会話は、同行者達には全く聞こえておらず、会話が終わった時に同行者から「長いお祈りでしたね」と言われたそうです。
狐の姫(ひぃ)さんは有名ですさかい。
お会いするのは初めてどすなあ
何を恨んむんですか?
あっ、ここに封じられたことどすかぁ?
今も恨んでるんじゃないですか?
それに封じられたわけでもあらしまへんし
1311年の封印の呪法は二葉姫には効かなかった??
一人ずつ順番に御札をかざして、大声で呪文を叫びながら印を切りはりますねん
けんどぉ、これが悲しいほどに効きまへんのですわぁ
そんで次の人からは印に合わせて『ぐわぁぁぁっっっ』とか『ひいいぃぃぃ』とか悲鳴をあげてみせてみせたんどす。
そしたら皆はん、すごく喜んでくれはりましてなぁ
「なぜにわらわにこのようなことをするうううぅぅぅぅ」
次はどないな悶え方をしようかと考えるのにも飽きてくるし、その後は心底辛うおましたわぁ。
苦しんでる振りなのか、ホンマに苦しいのか、自分でもわからなくなりましてなぁ。
やっとこさ108人目になったときには、ホンマに死にそうな気分でしたわぁ
次の日から外に遊びにでましたなぁ
藤原なにがしとか、北条なにがしとかが、ぎょうさん兵隊引き連れてやってきましたんやけんど、みぃんないてこましてやりましたわぁ
狐の姫は、龍の姫との対決を覚悟していたとうのに、龍の姫は何ともサービス精神旺盛な、ユニークなお姫様だったそうです。
狐の姫が、ひととおり龍の姫から話を聞いている間、他の同行者からは「長いことお祈りしてはるな~」という状態にしか見えず、龍の姫の声は狐の姫にしか聞こえていなかったそうです。
その後、一同は、狐の姫から封印などされていなかった話を聞き、龍の姫の怖いイメージがどこかに吹っ飛んでしまったそうです。
思っていたのとだいぶキャラが違いますねぇ
すごく姿は、美しいお姫様やったけど、性格はユニークで親しみやすい神さんやったわ
二葉姫の気が強すぎるから?
あとはやはり境内が荒れているからじゃない?
浮遊霊もいたし、いろんな邪気が凝っているのかもね
ゴミを捨てていく人が多いんだってさ
彼女だって国津神だからね。
信仰されるのはエネルギーの元だもん。
ああ言いながら、参拝してもらうのは嬉しいはずだよ。
そして、二葉姫さんは、鎮守神として便宜を図ってほしいという狐姫の願いは了解してくれたそうです。
どうせ他にわらわを祀ってくれるとこなんてあらしまへんし、ここにいるしかないですからね。
ただ、ここは猿と野良犬が多くて難儀しています。
二葉姫さんが言うには、野生の猿が我が物顔で境内をのし歩き、たまにお供え物があっても、二葉姫が手にする前に食べてしまうのだそうです。
そのためうかうかと神社を留守にもできないと漏らしていたそうです。
さらには、野良犬が境内にやたらと糞をするのにも困っているそうです。
・・・・・かくして、狐の姫と龍の姫との対決は、予想外の内容で終了しました。
でも、源九郎さんは、どうして源九郎とよの夢に出て来て、この二葉姫を探せと言ったのでしょうか?
一つ考えられらるのは、
二葉姫稲荷神社のような、昔から祟りがあるとされ、氏子も宮司も存在していない忘れ去られた神社が、全国には沢山あることをみんなに知ってほしい
という思いだったのかもしれません。
そのうちの1つとして、
ということだったのかもしれません。
国つ神のエネルギー源は人間の信仰心です。
神社を洗浄に保ち、壊れた備品を修復し、守番役を置き、社格と番地を取り戻し、国つ神の社として参拝者を集めることが大切なのです。
源九郎稲荷神社もかつては忘れ去れた神社でした。
源九郎さんが、二葉姫さんのことを気にかけていたのは、自分も同じような目に遭ってきたからかもしれません。
けれど、確か源九郎さんは、夢では
と言っておられました。
と源九郎とよは、考え悩みました。
そして・・・遂に、この後、二葉姫と対峙した「狐の姫」に連絡を取り、狐の姫と出会うことになりました。
源九郎稲荷大神さんと二葉姫さんの関係などを教えてもらうことになるのですが、
この狐の姫・・・
美しくて、スタイルが良くて、賢くて、すごい知識を持っていて
とにかく人間離れしたすごい女性だったのです!!
物語の続き第66話はこちら
源九郎稲荷神社復興活動に続く「源九郎とよのバンコクスパ経営奮闘記」
それまで勤めていた警察を辞めて、タイ、バンコクで新たな挑戦を始めることになったのです。
とよが源九郎稲荷神社復興活動チームから離れて、警察同期生だった親友の助けを得ながら異国タイで奮闘するハチャメチャな様子を綴った物語が「元女性警察官(刑事)コンピがバンコクでスパ経営物語」です。
なんとか成功してお金を貯めて源九郎稲荷神社の社務所を建て替えるのがとよの夢なのですが、新型コロナウィルスのパンデミックもあり、なかなかすんなりとはいかない状態です。
でも、夢をあきらめずにやれるところまで頑張ってみたいと思います。ご興味のある方は、そんな源九郎とよの奮闘状況をご覧ください。
元女性警察官(刑事)コンビのバンコクスパ経営物語