今回の登場人物
源九郎とよ(本名土井美苗):復興活動物語のボランティアチームスタッフ代表。この当時は警察官をしておりました。当時は本名を隠してペンネームの「源九郎とよ」で活躍しておりました。
語り部「中川のおじちゃん」:源九郎とよと一緒に神社の復興活動をスタートさせることとなる神社の総代さん。今では神社の「語り部氏」として、雑誌やテレビなどにも取り上げられる神社の顔。陽気で優しくてダンディーな人で、とよが第二の父と仰ぐ存在。
中川のおばちゃん:語り部氏の奥様。神社の境内で四季折々のお花を育てているお花の守人。陽気で優しくて、笑っているところしか見たことがない朗らかな人
奈良ミステリーハンター鈴木さん:奈良の歴史や史跡について発信していた人気ブロガーさん。源九郎とよが源九郎稲荷神社の現状を伝えたところ、様々な面でサポートをしてくださった心優しい方でしたが、40代の若さで急死されました。
源九郎とよと、語り部の中川さんご夫婦との3人で始めた神社のお掃除は、なんとか大晦日までに70パーセントが終了し、あの荒廃していた神社とは思えないくらい綺麗になりました。
まだまだ、課題はたくさん残されておりましたが、大晦日には前宮司さんの時には距離を置いていた洞泉寺町のみなさんが足を運んでくださり、賑やかな年越しをすることができました。
前回の記事はこちら
インターネットで見つけた素敵な歴史ブロガーさん
そして、お正月も無事に迎えることができ、源九郎稲荷神社は鎮守としての活力を取り戻して来たように感じました。
そんな中、源九郎とよは、お世話になっている知足山玄明院岩岸住職から
神仏は、参拝者が来ないと、悲しんで別の場所に行ってしまうよ
という話を聞いていたので、なんとか一般の人にも神社に足を運んでもらいたいと考えました。
そこで、思いついたのが
神社のことを書いている有名ブロガーさんに、源九郎稲荷神社の記事を掲載してもらおう!!
ということでした。
すごく他力本願なのですが、きっと協力してくれるブロガーさんはいるはずだと思い、インターネットで探しました。
そこで見つけたのが鈴木さんのブログでした。鈴木さんのブログは
当時は、
奈良歴史ミステリーハンター
というサイト名でしたが、実は、鈴木さんはとよと出会ってから2年後にご病気で急死されたため、小学生の娘さんが跡を引き継ぎ、そのためブログ名も現在は
奈良ふしぎ歴史攻略 学校・教科書では教えてくれない奈良を親子でも100倍楽しめる観光ガイドブックブログ
に変更になっております。
鈴木さんが書く文章は、とても温かみがあり、人柄が文章に出ているような気がしました。
ふとそう思いました。
それで、私は勇気をふりしぼり鈴木さんのブログにメッセージを送りました。
突然のメールで失礼いたします。
是非とも源九郎稲荷神社の復興にお力をお貸しいただきたくてメールさせていただきました。
私は、現在源九郎稲荷神社を管理している者です。
この神社は、昨年夏に宮司が急死してから、宮司なしの神社で今に至っています。
宮司が亡くなってから、神社は荒れ放題になっていたのですが、この神社の管理責任者である御夫婦と私との3人で、神社の復興にかかったのが昨年の秋のことでした。
それから、不思議なことに、いろんなことが始まりました。・・・
こんな出だしで、長いメールを送りました。
突然に送り付けた長文の失礼なメールだったので、
と、返事は期待していなかったのですが・・・・
その後すぐに、鈴木さんからとても暖かい返事が返ってきたのです!!
私は今、出張で広島におりますが、奈良に戻り次第、すぐに神社を訪ねさせていただきます。
とよは、鈴木さんからの返事をいただくと、すぐさま神社に走って行き、中川のおじちゃんとおばちゃんに、興奮して鈴木さんが来てくださることを伝えました。
このころのおじちゃんもおばちゃんも、ブログというのがどういうものなのかわからなかったので、あまりピンと来ておらず
と言いながらも、とよが騒ぎ立てているのを不思議そうに見ていました。
熊のプーさんのような温かい鈴木さんとの出会い
鈴木さんは、仕事で出張先の広島から直接、源九郎稲荷神社へと駆けつけてくださいました。
体の大きなクマのプーさんみたいな人が鳥居をくぐって源九郎稲荷神社の境内に入ってきました。
鈴木さんのブログのプロフィールに掲載されていた顔写真に良く似ている~。鈴木さんかな?
と思いながら、とよは社務所の中から様子を伺っていました。
そのくまさんは、一目散に手水舎に行き、そして社殿にお参りを始めました。
と思っていると、そのくまさんは、丁寧にお参りを済まされると、社務所の方に歩いてこられました。
この時、
恵比須さんの絵のTシャツ
を来ておられたことを、今でも鮮明に覚えています。
とよは、鈴木さんに間違いないと確信し、声をかけました。
とても、さわやかで優しい笑顔が返ってきました。
鈴木さんを、中川のおじちゃんとおばちゃんに紹介すると、語り部でもある中川のおじちゃんが、とてもわかりやすく神社の由来や、宮司さんが亡くなってから今に至るまでの話を鈴木さんに説明しました。
鈴木さんは静かに、とても熱心に聞いてくださり、時々メモを取りながら
「お話を聞かせてもらって、みなさんの活動に感銘を受けました。
私で力になれるのであれば協力させてください。
と言ってくださったのです。
鈴木さんは、とても物静かで口数の多い方ではなく、それがかえって信用できる人だと思いました。
私は、鈴木さんのブログで、源九郎さんのことをできるだけ取り上げてほしいと頼みました。
でも、鈴木さんは、それ以上の提案を私達にしてくださったのです。
1つご提案なのですが、源九郎稲荷神社のホームページを作りましょう!!
私はプログラマーをしておりますので、簡単なホームページなら作れますよ。
ただし、デザインは得意ではないので、期待はしないでいただきたいのですが、私に任せていただけませんか?
費用は、私から神社への寄付ということで・・・。
と言ってくださったのです。
とよは、タイに来て理学療法の治療院スパを経営しておりますが、その宣伝のためにタイで活躍されている日本人の有名ブロガーさん何人かに「お店の宣伝のためにブログを書いてほしい」と連絡をさせていただいたことがありました。
もちろん、有料でのお願いでした。
ところが、ある一人のブロガーさんから帰って来た返事は
「お断りするならその理由をお伝えしておいた方が良いと考えたので言わせていただきます。
あなたのお店は、私が住んでいるところからは遠い。また、遠くても行ってみたいと思うほど、あなたのお店には魅力がないです」
というものでした。
なんとも、上から目線の返事でございました~。
この方が、ご依頼を受けるのはホテルの高級スパばかりだということを後に知りました。
わざわざ、こんな失礼な断り内容を書いて寄こさなくても良いでしょ~。なんぼほど人を見下しているんや~。嫌な女!!
有名ブロガーさんとはこういうものなんだと、この時に思い知らされたのですが、同時に思い出したのが鈴木さんのことでした。
鈴木さんは、当時はかなりの有名ブロガーさんでした。
なのに、常に腰が低くて、丁寧であり、いつもいつも、本当に親切に対応してくださいました。
鈴木さんは、さらに源九郎とよに対して
とよさんも、神社の復興活動の様子などをブログに書いてみませんか?
と薦めてくださいました。
とよのブログ「とよの源九郎稲荷塾(初めた当初のブログ名)」は、こうして鈴木さんの提案で始まったのです。
遂に完成した源九郎稲荷神社のホームページ
その後、鈴木さんは何度も源九郎稲荷神社に足を運んでくださいまいした。
鈴木さんの小学生のお子さん達も、一緒に良く来てくれました。
そして、役か月後、ついにホームページが完成しました。
鈴木さんの人柄が滲み出た優しく温かいホームページ ができあがりました。 ホームページの挿絵には、語り部中川氏の娘さんの絵が使われることになりました。
そして、鈴木さんのブログでも、かなりのページを源九郎稲荷神社のために割いてくださいました。
鈴木さんがブログに掲載してくださった記事はこちらです。
鈴木さんは、大和郡山以外のメンバーでは、岩岸住職と同じく、源九郎稲荷神社にとってはなくてはならない存在となっていきました。
とよも、中川のおじちゃん、おばちゃんも、とても彼を頼りにしています。
売上金が神社の寄付になる電子書籍を作成してくださいました
さらに鈴木さんは、源九郎さんに関する本を書いてくださいました。
この本の売り上げは、当時源九郎稲荷神社のホームページの維持費に使わせていただき、余った分を神社に寄付してくださいました。
鈴木さんが2年後に病気で急死されてからは、残された小学生のお子さん達の学費等に使ってもらっています。
なので、ご興味のある方は、今でも購入できますので、是非読んでいただければと思います。
購入先はこちらです。
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源九郎稲荷神社番外編はこちら
復興活動物語の目次はこちら
源九郎稲荷神社復興活動に続く「源九郎とよのバンコクスパ経営奮闘記」
源九郎稲荷神社がある程度復興して、多くの方が参拝に来てくださるようになった2014年、とよはある決意をします。
それまで勤めていた警察を辞めて、タイ、バンコクで新たな挑戦を始めることになったのです。
とよが源九郎稲荷神社復興活動チームから離れて、警察同期生だった親友の助けを得ながら異国タイで奮闘するハチャメチャな様子を綴った物語が「元女性警察官(刑事)コンピがバンコクでスパ経営物語」です。
なんとか成功してお金を貯めて源九郎稲荷神社の社務所を建て替えるのがとよの夢なのですが、新型コロナウィルスのパンデミックもあり、なかなかすんなりとはいかない状態です。
でも、夢をあきらめずにやれるところまで頑張ってみたいと思います。ご興味のある方は、そんな源九郎とよの奮闘状況をご覧ください。
元女性警察官(刑事)コンビのバンコクスパ経営物語
