今回の登場人物
源九郎とよ(本名土井美苗):復興活動物語のボランティアチームスタッフ代表。この当時は警察官をしておりました。当時は本名を隠してペンネームの「源九郎とよ」で活躍しておりました。
中川のおじちゃん:源九郎稲荷神社の管理人であり、語り部として有名です。復興活動のボス的存在。柔軟な思考を持ち、古いものを大切しながらも新しいものも取り入れるすばらしい感性の持ち主。
伊藤君:夕涼み会のリーダー。企画段階から中心となって夕涼み会を作り上げた人物。若手スタッフからは絶大な信頼を得ている頼もしい存在
岩岸住職:世界遺産吉野山の金峯山寺の修験僧。知足山玄明院のご住職。修験の僧侶は神仏両方の祈祷を行うことができるため、源九郎稲荷神社のために様々な祈祷をボランティアで行ってくださる復興メンバーの一員
源九郎稲荷神社の復興活動メンバーにより初めて開催された夏祭り「夕涼み会」は、2日間とも無事に終了しました。
神社の境内には笑顔があふれ、メンバー全員がやり遂げた達成感と、源九郎稲荷大神様のご加護を強く感じる、かけがえのない二日間となりました。
本記事では、夕涼み会成功の裏側と、開催前に執り行われた古神道の秘儀「鳴釜神事」で起きた不思議な出来事についても詳しくご紹介します。
古神道の秘儀神事「鳴釜神事」とは?
夕涼み会を開催するにあたって、事前にお祓いをしてもらったほうが良いということになり、神社の復興活動を何かとサポートしてくださっている、玄明院の岩岸住職にお願いして、神社ともうひとつの会場になる「旧川本邸」の2か所のお祓いをしてもらうことになりました。
お祓いの祈祷は、源九郎稲荷神社から行われました。
岩岸住職がこの時行われた神事は「鳴釜神事」という、とても古神道の秘儀神事になります。
「鳴釜神事」とは、ウィキペディアに次のように記されています。
鳴釜神事(なるかましんじ)は、釜の上に蒸篭(せいろ)を置いてその中にお米を入れ、蓋を乗せた状態で釜を焚いた時に鳴る音の強弱・長短等で吉凶を占う神事。吉備津の釜 、御釜祓い、釜占い、等ともいう。元々吉備国で発生したと考えられる神事。
一般に、強く長く鳴るほど良いとされる。原則的に、音を聞いた者が、各人で判断する。
現在でも一部の神社の祭典時や修験道の行者、伏見稲荷の稲荷講社の指導者などが鳴釜神事を行う姿が見られる。
ということで、お坊さんの中では、この神事を行うのは修験僧だけになるのです。
準備も大変だし、作法を修得されたお坊さんや神官さんしかできない特別な神事なのに・・・
岩岸住職は、このときもボランティアで行ってくださいました。
鳴釜神事でのちょっぴり不思議な出来事
この日は、岩岸住職のお弟子さんお二人も来て下さり、お三方の奏でるほら貝の音が境内に響き渡り、なんともいえない素晴らしい音色を奏でておりました。
また、サラサラとして良い風が吹いており、
と思いました。

神事が始まると、しばらくして釜のお湯が沸騰してくると、低く腹に響くようなボーッという蒸気の不思議な音が鳴りだしました。
それが次第に、大音量になり、境内に響き渡りました。
とよも中川のおじちゃん達も、鳴り釜神事を見るのは初めてだったので、みんな本当に凄くびっくりしました。
鳴り釜は、誰でも鳴らせるものじゃないそうです。
釜を鳴らせるには技術と能力が必要です。
① お湯の温度やお米の湿り気具合などを判断する技術
② 神様を呼び寄せる能力
が必要だと言われています。
鳴らせるだけでも相当の経験が必要な特殊神事なのです。
ところが突然この釜の音が鳴り止む事があります。
実は、神事の最後の方で、中川のおじちゃんから順次、釜の中に御米を入れて源九郎さんに礼拝をしたのですが、とよの番の時に、急に音が止まってしまったのです。
とよが固まって動けなくなっていると、10秒くらいしてからまた音は鳴りだしたのですが、これはかなりショックでした。
鳴り止むにはわけがあるはず・・
そのわけとは何を意味するのか・・・
またどのように判断したら良いのか・・・・
神事が終わってから、とても心配になったとよは、すぐに住職に質問しました。
すると
すまんすまん。とよちゃんのせいと違うねん。
ちょうどとよちゃんの番の時に、俺が源九郎さんに向かって『神社にいろんな人が来てほしいのはわかりますが、有象無象の輩を呼び寄せないでいただきた』とお願いしたんよ。
するとその時に、一瞬、音が止まってしまったんよ。
でもすぐに音が鳴りだしたやろ。
という返事が返って来ました。
この神事では釜が鳴ったときは吉祥で万事めでたく、音が止まるときは凶兆と考え、吉凶禍福を判断する占いの意味を持つそうです。
吉備津を舞台にした上田秋成の『雨月物語』の中で、釜鳴り神事で釜の鳴らない結果を無視して縁談をし、不幸な最期を遂げる話は有名です。
でも、神道や修験では別の考え方があるそうで、釜の鳴りで穢れを祓う思想があるそうです。
なので、音の鳴っている釜を持って家の中や土地を回り、音の止むところがあるとそこを不浄と考えて祓い清めます。
地鎮祭や家祓いなどの場合も鳴り釜神事を行うそうです。
鳴釜神事で音が止まったときはどういう意味があるの?
音が止まるとことについて、ある有名な神道家が次のように解説されています。
ある方が釜の前に進み、音が止まったとしましょう。
何か良くない事があるということになります。
もしそのときに、その『良くない事の内容』を神官が解ると音が出てくるのです。
つまり音が止まった“わけ”が解ると、音は再び鳴り始めます。
釜は人の意識に反応するのです。『釜鳴り神事』というのは、古神道の秘儀です。
その原理は、先ず、神を釜に呼び込む。
次に、釜を持つものが心に質問や願い事などを唱えたり、思いを描きます。すると神がそれに答えて釜の音を鳴らしたり、止めたりして神意を伝えるのです。
ですから釜鳴りは、人の潜在意識と関連すると私は考えてます。
例えば、釜の音が鳴り止んだとき、その理由を神職が心の中で唱えると、正しければ再び音が鳴り出すということがおこるんです
釜の音を止めるのは神の意思でありまして、その神の意思と人の心が正しくかかわり合ったときに音が甦ると言うことになります。
さらに・・・この止まった音を再び鳴らすことができるには、神事を行う神官の能力に大きく関わるそうであり、普通10年位の経験と修行が必要だそうです。
この解説どおりだとすると、源九郎さんは岩岸住職のお願いに反応したため、一瞬音が止まり、その音が止まった理由を岩岸住職が判ったので、再び音が鳴りだしたということになります。
それから数日後に、神社に来られたある方が、このことに関連するとても不思議なことを言われたのです。
その人は、
「私は、神様と会話ができる能力を持っているのですが、源九郎大明神様がこう言っておられます。
『私には沢山の眷属の狐がいます。今この神社の境内にもおりますが、色んな性格のものがいて、まだ修行中の眷属の中には良くない人達を呼び寄せてしまうのがおります。
これには少し困ってお。ります』
と言っておられますよ
源九郎大明神様は、とてもおだやかな優しい神様でいらっしゃいます。
狐の姿で人の前に現れるときは、狛狐の巻物を咥えた方の狐さんの姿になられます。
と話されました。
この鳴り釜の一件がなければ、とよはこの方の話もまず聞く耳持たずでしたが、とても不思議な雰囲気を持っておれたので、この話に聞き入ってしまいました。
まるで源九郎さんがこの方の口をお借りして、岩岸住職さんのお願いに回答されたような気がしてびっくりしました。
そして、この方は、その時一度きり来られただけで、この話をされてすぐに立ち去れました。
今思うと、
あの人は本当に人間だったんだろうか〰
狐に化かされたんじゃないだろうか〰
と思えてしまいます。
源九郎さんでの鳴り釜神事は、一瞬音が止まったもの、その後も大音量で鳴り続けました。
それで、最後には岩岸住職が釜に蓋をされました。
いつまでたっても神様が帰ってくれはらへんので、蓋をさせてもらいました。
神様はかなり、ご機嫌様のようです。
でも・・・神様には÷木のですがこの後もご祈祷の予定があるんで、時間が……
と言われました。
いつまでも帰らなかったということは、源九郎さん的には大満足してくださっていたということのようです。
そして、この鳴り釜神事により、それまで源九郎稲荷神社の境内にはびこっていた不浄な者達が、浄化されたような気がしました。
より一層、神社の気が良くなり、とても気持ちの良い風が吹いていました。
鳴り釜神事で使われたお米は、その後、みんなに振舞われました。
今回は、ちょっぴり不思議なお話でしたが、次回は、旧川本邸(遊郭)でのお祓いの際の、とっても不思議なお話をご紹介したいと思います
物語の続き第62話はこちら
復興活動物語の目次はこちら
源九郎稲荷神社復興活動に続く「源九郎とよのバンコクスパ経営奮闘記」
源九郎稲荷神社がある程度復興して、多くの方が参拝に来てくださるようになった2014年、とよはある決意をします。
それまで勤めていた警察を辞めて、タイ、バンコクで新たな挑戦を始めることになったのです。
とよが源九郎稲荷神社復興活動チームから離れて、警察同期生だった親友の助けを得ながら異国タイで奮闘するハチャメチャな様子を綴った物語が「元女性警察官(刑事)コンピがバンコクでスパ経営物語」です。
なんとか成功してお金を貯めて源九郎稲荷神社の社務所を建て替えるのがとよの夢なのですが、新型コロナウィルスのパンデミックもあり、なかなかすんなりとはいかない状態です。
でも、夢をあきらめずにやれるところまで頑張ってみたいと思います。ご興味のある方は、そんな源九郎とよの奮闘状況をご覧ください。
元女性警察官(刑事)コンビのバンコクスパ経営物語
