源九郎狐の死と野施行のはじまり
ずっとずっと昔のことです。 大和に 源九郎狐という狐 が住んでいました。 狐は霊狐になると三百年生きるそうですが、この狐は霊狐以上の地位を授かっておりましたので千年ほどの歳月を大和から河内一帯の狐の象徴とし …
ずっとずっと昔のことです。 大和に 源九郎狐という狐 が住んでいました。 狐は霊狐になると三百年生きるそうですが、この狐は霊狐以上の地位を授かっておりましたので千年ほどの歳月を大和から河内一帯の狐の象徴とし …
伝説で、大和にいたといわれるいたずら狐の源九郎狐と播磨(はりま)の刑部狐(おさかべぎつね)は兄弟とされています。 刑部狐は、姫路城の天守閣五層目に住む老狐であり、たいそうな神通力を持っている白狐で、刑部大明神の正体だと言 …
大和郡山の鎮守にならないかと大納言豊臣秀長に薦められた源九郎狐は、それを承諾し、大和郡山城内に稲荷社として祀られることになりました。 ・・・・ところが・・・ 秀長の家来衆が 「畜生の言いなりになっていいものか!!」 と騒 …
大和郡山城内で壇ノ浦の源平合戦を実演して見せた源九郎さんは、その後、大和郡山の鎮守として藩中の畏敬と信仰を博するに至りました。 さて、この源九郎稲荷の神通力は、その後も発揮されました。 元和元乙卯年4月27日夜、 豊臣の …
おなかをすかせた小狐が、ふらりふらりと郡山城下へと迷いこんできました。 右を見ても、左をみてもせわしなく行きかう人ばかりです。 助けをもとめようとも、誰も相手にしてくれません。 しまいにぐるぐる目をまわしてしまい、道端に …
昔、むかしの郡山城の城下町であったおはなしです。 柳二丁目に 寺戸屋(てらどや) という帽子屋がありました。 ある寒い、さむい夜のことでした。 店を閉めたというのに表戸を、 トントントン。 たたく音がしました。 「おや、 …