前回は、夕涼み会の裏話として、夕涼み会を開催する前に吉野山金峯山寺の修験僧である岩岸住職に源九郎稲荷神社のお祓いをしてもらった際の、少し不思議な出来事について紹介しました。
今回は、もう一つの夕涼み会のもう一つの会場(お茶席)となった旧川本邸での不思議なお話についてご紹介したいと思います。
旧川本邸(現町家物語館)のお祓い
現在の町家物語館(旧川本邸)は、大和郡山市が買い取ってから、特段何かに使われていたわけでもなく、復興チームスタッフの伊藤くんが建物保存プロジェクトを開始するまでは、ずっと閉められたままでした。
源九郎とよや中川さんご夫婦が、伊藤君と知り合い旧川本邸に出入りするようになった頃は、伊藤君らのプロジェクトのお陰で、建物内はとても綺麗になっていました。
でも・・・・どうも、常に誰かに見られているような気がしました。
それに、元々神棚があった場所には、すでに神棚はなく、この場所はあの世との結界が外れてしまっている場所のような気がしました。
川本邸に長い間いると、どうもしんどくなってしまうのです。
それで源九郎さんに戻ると、すきっとする・・・
やはり、これは建物の中に流れている気のせいだろうな〰
と感じていました。
旧川本邸は、売春防止法が施行されてからは、楼主であった川本さん一家がお住まいされており、売春部屋だった個室は、下宿屋として貸しておられました。
とよと伊藤くんが、部屋を探検した際に何通か手紙を見つけたことがあったのですが、その手紙は親が子に宛てたものであり、「早く会いたい」というようなことが書かれていましたが、手紙に桜の透かし紋がはいっていたことから、刑務所から投稿されたものであることがわまりました。
この話を川本さんにしたことがあるのですが、
とのことであり、やはり旧川本邸の建物内には、遊郭時代も下宿時代も、色んな思いが交差していた空間だったんだな〰と思いました。
川本さんは、夕涼み会の時には、旧川本邸でお茶席を設けて、無料でふるまってくださることになっていました。
また、お琴等の演奏も、川本邸でしてもらう予定になっていました。
それで、やはり気の流れを整えておかないと、予想外の事故が起こる可能性もあるため、岩岸住職にお願いしてお祓いをしてもらうことになったのです。
お祓いの日、中川のおじちゃんは
ということで、私と伊藤君とHPを作ってくださった鈴木さんの3人が参加することになりました。
そして、岩岸住職側は、お弟子さんお二人が同伴くださいました。
ところが、ここにもう一人、不思議な人物である木村さんが加わることになります。
木村さんは、ある日、突然神社にやって来られました。
中川さんご夫婦が、神社に行ったとき、拝殿で祝詞をあげている男性がいたそうです。
それが木村さんになるのですが、祝詞の声がうっとりするほど綺麗だったそうです。
その後、おじちゃんが声をかけて、お話しをしたところ、やはり神様に関係する修行をされている人だとわかったそうです。(山伏さんではありません)
それ以降、その方は時間があると神社に来ては、神殿のお掃除をしてくださるようになりました。
神殿のお掃除をされるときは、白装束でしてくださいます。
今でも、神事やイベントがあると聞きつけると、必ずお掃除に来て下さるので、いつしか私達の中では神殿のお掃除は木村さんの担当といことになっているのです。
この木村さんが、ちょうど岩岸住職が川本邸のお祓いをする時に偶然神社に来られていました。
それで、同席たいと言い出しました。
岩岸住職は、通常、知らない人を同席させないのですが、この時は特別に木村さんの同席を許可されました。
そんなことから、この木村さんも加わり、旧川本邸でのお祓いが始まりました。
遊郭のお祓いの時に起きた不思議現象
岩岸住職は、旧川本邸に着くなり
一度で成仏してもうのは厳しいね。 今日は1階におられる方しか無理やわ
と言いました。
岩岸住職に後で詳しく聞いたところ、旧川本邸では、遊郭時代の生活がそのまま存在しているそうです
過去の時空が、現在と平行に存在しているといえばいいのでしょうか・・・
普通に、女中さん達が夕食の支度をして、遊女さん達が普通にお化粧や身支度を整えていたそうです。
ちょうど、この時の時間も午後4時頃でしたので、そういう時間帯だったと思います。
と住職は躊躇されていました。
現世の私達に害を加えるというようなものではなく、単に当時の時空がそのまま存在しているだけだそうです。
私達には(住職を除いて)彼女達の姿は見えませんし、彼女達にも私達の姿は見えないそうです。
とおっしゃられ、祈祷が始まりました。
違う存在の人とは、一般的に言われる「幽霊」さんのことです。
そして祈祷が始まった直後に、不思議なことはおこりました。
閉めたはずの玄関の扉が「ガラガラ」と開く音がしたのです。
これは全員が耳にしました。
それで、
中川のおじちゃんが気になって見に来たのかな?
と思い、玄関の方を確認すると・・・・
誰もいませんし、扉も閉まったままです。
これには伊藤君と鈴木さんがびっくりしてしまい、二人共恐怖で顔が真っ青になっていました。
そして、1時間程のお祓いが終了する間際、岩岸住職が中庭の方に視線を移されたのです。
私も、住職の視線の先に目を移すと・・・
何か赤い煙のようなものがふわっ〰と地上に舞い上がっていくのが見えたのです。
祈祷が終わると、厳しい表情の住職は、いつもの優しいお顔に戻られ
最後に何人かの遊女さんを成仏させたけど、まだまだいっぱいいはるわ〰。 たぶん、2階、3階はもっとたくさんいてはるやろな〰。 1回では無理やね。 でも、果たして全て成仏させることがいいものなのはかわからんわ。 害を及ぼすような人達と違うんで、無理に成仏させやんと共存していく道をとる方がいいような気がするわ。
とおっしゃられました。
そして、元々神棚があったところに、住職自らが作られた源九郎稲荷大明神の御幣を祀られました。
伊藤君、この建物に来た時は、この神棚のお水を換えてあげてね。
おそらく源九郎さんがいてはる限り、みんな悪さはせんはずやわ
ということでした。
実際、その後もこの場所で事故等は起こっておりませんし、この祈祷以来、建物内にいても息苦しく感じることはありませんでした。
しかし、この祈祷の最中に玄関の扉が開く音がしたのは、一瞬、違う時空に存在する遊女さん達の世界と、現世が交差したのでしょうか?
きっと、遊女さん達の世界で、誰かが扉を開けたのでしょうね。
岩岸住職にお聞きしましたが、山で修行をしていると、不思議な現象が沢山あるそうです。
いわゆる神隠しというのは、本当にあるそうで、修行のため列をなして山中を歩いていると、突然数人の姿が消えてしまうということが、昔はよくあったそうです。
どんなに探しても、姿が消えた人は見つかりません。
そのため神隠しにあったんだろうと伝えられているそうですが、山中には違う時空と交わるスポットがあるようで、ふとした瞬間に違う時空に迷い込んでしまう人がいると信じられているそうです。
「信長協奏曲」とか、「JIN」などは、まさしくこのタイムスリップを題材にしたドラマになりますが、まんざら作り話ではないようです。
旧川本邸での違う時空の様子は、私には見ることができませんでしたが、厳しい修行を積まれている岩岸住職には、このお祓いの最中に度々見えたそうです。
でも、住職は余程のことがない限り、また特定の者にしか「見えたり聞こえたり」したことを言われません。
そういうことを言うのを極端に嫌います。
なぜなら、それを言うことにより、人を惑わせることになるからだそうです。
「あなたの背後にはご先祖さんが何人も見えます。みんなあなたに成仏させてほしいと言ってます」等と言って、高い祈祷料を騙し取る人や、「よくない物が見えるので、この念数を身につけてお清めしないといけない」
等といって高い数珠を買わせたりする人を沢山見て来たし、そういう被害に遭われた方から相談も受けたそうです。
確かに、私も「大きな白狐がついている」とか、「子供の姿をした神様がついている」とか言われましたが、そう言われると信じてしまい、そのことばかりに囚われてしまった経験があります。
私の場合、それだからお祓いをしろとか、何かを買いなさい等とは言われていないので、嫌な思いはしていませんが、実際に私の周辺でも、高い数珠を買わされたり、中には高いお墓を交わされたりした人もいます。
また、警察にいる時代に、霊感商法の詐欺で事件を担当したこともありました。
この日も、少し見える能力のある木村さんが、このお祓いの最中に見えた物の話をみんなにしだしたので、岩岸住職に
そういう話は面白半分でするものと違います
と諭されていました。
この頃、神社に参拝される人の中に、スピリュチュアルな団体や、新興宗教団体などが増えてきており、私達のいる前で、教祖らしき人が平気で
「今源九郎さんが○○○と言っておられます」
とか信者さんに対して、とても都合のいいことを言っているのを見ると、神様を利用されているようでとても気分の悪い思いをしていました。
私は、幽霊とは波長が合わないのかして、見たことがないのですが、妖怪のたぐいとは波長が合うようで、面白い経験を沢山しています。
また、以前にもお話ししたように、警察にいる時に死者の声が時々聞こえることがあり悩んだこともありました。
そんなことから、普通の人には見えず聞こえない物が、「見えること」「聞こえること」があるという現象はよくわかります。
ただ、それが「本当なのか」「作り話で人を惑すものなのか」、自分自身でしっかりと見極めなければいけないなと思うようになってきていました。
ある有名な神社の神主さんが
「神社は公開の場なので、色んな方がこられます。新興宗教の団体が、自分達の神社であるかのような振る舞いをされていくこともありますし、教祖を敬うように私達に強要さえるような団体もあります。
それはとても気分の良いものではありませんし、一般の参拝客の方の迷惑になっている場合も多々あります。
しかし、それを排除するというのはとても難しいことなので、目をつぶるところと、注意するところを上手に見極めながら対処していく必要があります。」
言っておられましたが、夕涼み会の会議の席で電気屋さんが危惧されていたことの中に、こういう有象無象の輩が、好き勝手にしていくとういことも含まれているんだろうなと思います。
神社や建物内の気を乱すのは、多くの場合「人間」なのかもしれません。
「源九郎稲荷神社」のことを多くの人に知ってもらいたいがために、有象無象、なんでもウエルカムにならないように、これからは気を配っていく必要があると実感させられました。
そんなことも考えさせられた私達は、今回の夕涼会は、洞泉寺町と周辺にだけ宣伝することにして、広い地域への発信はやめておこうということになりました。
自分達が楽しむためのお祭り、源九郎さんに喜んでもらうためのお祭りということで、ささやかに執りおこなおうということになりました。
源九郎稲荷大神様が金峯山寺のお坊さんにお願いに来た?
余談ですが、このお祓いの時同席された木村さんは、その後、娘さんのことで助けていただいたそうで、すっかり岩岸住職のことが気に入って信者さんになられたそうです。
フランスにいる娘さんが、日本の佐渡島に旅行した際、悪霊に憑りつかれたそうで、フランスに帰国後恐ろしい経験をされていたそうです。
それを住職にご祈祷してもらい祓ってもらったそうです。
私は不思議に思いましたが、
距離は関係ないよ〰
といとも軽く言われてしまいました。
娘さんは、お祓い後、すっかり体調も整い元気にされているそうです。
この時、木村さんが岩岸住職と神社で出会わなければ、娘さんの祈祷は実現しなかったと思うと、やはり源九郎さんは色々と考えながら、人と人とを結びつけているような気がします。
もうひとつ余談ですが、岩岸住職は修験僧なので、1年のうちの数ヶ月は、全国の厳しい山々に入られ修行をされます。
そんな、修験僧の中には、人並み外れた霊的能力を持っている僧侶もおられるそうです。
岩岸住職の兄さん的存在に当たる方が、自分に神様を降ろしたりすることができる力を持っているそうですが、源九郎稲荷神社が荒廃してひどい状態だった時に、源九郎さんが降りて来て
とお願いしたそうです。
その方は、ちょうど自坊を継いだばかりで大変であり、また源九郎さんという神様がどういう神様なのか全く知らなかったことから
今は自坊で御祀りしている仏様で精いっぱいで、貴方様をお祀りする余裕がありません
とお断りしたそうです。
すると、
それでは別の力のある者に頼むから大丈夫だ
と言われたそうです。
岩岸住職は、そんなことがあったことなど全く知らなかったそうですが、ずっとずっと後になって、中村勘九郎さんが源九郎稲荷神社に来られることになった時に、兄的存在のその坊さんから
実はな、数年前に源九郎稲荷神社の神様が、私のところに降りてこられてな・・・・自分を私のお寺で祀ってほしいとお願されてたんよ。
とこの話を岩岸住職にされたそうです。
そして
すると「わかった。別の力のある者を探すから問題ない」と言っておられたけど、中村勘九郎さんを呼ぶまでに力を取り戻した神社やからすごい僧侶に頼んだんやろな?
と言われたそうです。
岩岸住職はそれを聞かれて
神社の祈祷もさせてもらっています
と返答したそうです。(岩岸住職のお寺でも源九郎さんの神だなを設けられており分身をお祀りされています)
お兄さん僧侶はびっくりして
どうりでな〰。
お前が拝んでるんやったら力を取り戻されたはずや
と言われたそうですが、この話を聞いて、単なる偶然で岩岸住職が神社に関わるようになったのではなく、ちゃんと源九郎さんに選ばれていたことがわかりました。
岩岸住職は、本山(吉野山金峯山寺)の中では、とにかく拝むのが大好きなお坊さんで通っており、難しい作法もたくさん取得されております。
拝みだしたら、何時間でもお経を唱えておられるくらい、本当に拝むのが大好きなお坊さんなんです。
そんなことから、源九郎稲荷大神様が、しっかりと自分のために拝んでくれる岩岸住職に白羽の矢を立てたのは当然といえば当然のことなのです。
岩岸住職は、この後も、源九郎稲荷神社を通して知り合った方の心強い存在となり、色んな相談に乗ったり、祈祷をされたりしております。
そこには、木村さんのように源九郎稲荷大神様が結び付けたと確信できるような縁もいくつかあり、神様って、本当にありがたい存在だな〰と改めて実感しています。
源九郎稲荷神社復興活動に続く「源九郎とよのバンコクス経営奮闘記」
それまで勤めていた警察を辞めて、タイ、バンコクで新たな挑戦を始めることになったのです。とよが源九郎稲荷神社復興活動チームから離れて、警察同期生だった親友の助けを得ながら異国タイで奮闘するハチャメチャな様子を綴った物語が「元女性警察官(刑事)コンピがバンコクでスパ経営物語」です。 なんとか成功してお金を貯めて源九郎稲荷神社の社務所を建て替えるのがとよの夢なのですが、新型コロナウィルスのパンデミックもあり、なかなかすんなりとはいかない状態です。 でも、夢をあきらめずにやれるところまで頑張ってみたいと思います。ご興味のある方は、そんな源九郎とよの奮闘状況をご覧ください。
元女性警察官(刑事)コンビのバンコクスパ経営物語