源九郎稲荷神社の境内案内

源九郎稲荷神社の中心に位置する 神殿(ご神殿) は、源九郎さん=白狐のご神徳が宿る、最も神聖な場所です。
境内を進むと、拝殿の奥に厳かな佇まいで神殿が構え、参拝者を静かに迎えてくれます。

■ 白狐が守る神聖な扉

神殿の前には、左右に二匹の 白狐(びゃっこ)さん が鎮座し、御神前をお守りしています。
長い歴史の中で幾度もの受難を乗り越えてきた白狐さんたちは、いまも変わらぬ姿勢で神殿を護り、参拝者を静かに見守ります。

右側の白狐さんは過去の出来事で 鼻が欠けた姿 のまま残っており、その背景には神社の復興に関わる「奮闘記録」に記されたエピソードがあります。
古くから多くの人々に信仰され、守られてきた証ともいえる存在です。

■ 御神鏡が収まるまでの“物語”

神殿中央には、神様のお姿を映す 御神鏡(みかがみ) が祀られています。

この御神鏡が現在の位置に落ち着くまでには、関係者が力を合わせて丁寧に整えてきた、少し特別な経緯があります。

この過程もまた、神社の復興に尽力した人々の想いが伝わる物語として「奮闘記」に綴られています。

■ いま、あるべき形に整った神殿

現在の神殿は、白狐さんも御神鏡も “本来あるべき場所”に整い、非常に穏やかで清らかな気 が満ちています。
参拝者からは、「すっと心が澄むような静寂さがある」「守られている感じがする」そんな声も多く聞かれます。

源九郎稲荷神社の神殿は、単に祀られている建物ではなく、長い歴史と、人々の祈りと、復興の想いが重なって形づくられた“物語の詰まった御神域” です。どうぞ静かに手を合わせ、神さまの気配を感じてみてください。

正面鳥居

源九郎稲荷神社の鳥居

大和郡山の旧遊郭街の歴史ある建物を右に左に眺めながら、静かな参道を約50メートル歩くと、ふいに鮮やかな朱色の 源九郎稲荷神社の鳥居 が姿を現します。

迷いながら辿り着いた参拝者は、この鳥居を目にした瞬間、「ようやくたどり着いた」という安堵とともに、まるで 時空を超えて呼び寄せられたような不思議な感覚を覚えると言います。

正面に掲げられた扁額には、堂々と「日本三社 源九郎稲荷神社」の文字。

かつて歌舞伎『義経千本桜』にも登場した“源九郎狐”ゆかりの聖地へ、いよいよ足を踏み入れる瞬間です。

社務所

源九郎稲荷神社を訪れると、まず参拝者に「こんにちは」「ようお参りです」
と優しい声がかかります。

この温かい挨拶こそ、当神社ならではの名物風景。初めて訪れる方でも、どこか懐かしい郷里に帰ってきたような安心感に包まれます。

その声の主は、神社を支える総代であり、“語り部のおじさん”として親しまれる 中川さん
中川さんは、宮司に代わって参拝者へ 神社の由緒、源九郎狐の伝説、境内にまつわる物語 を楽しく語り、訪れた人を笑顔にしてくれる存在です。

参拝の際は、ぜひ社務所にお立ち寄りください。
御朱印も、この語り部のおじさんが心を込めて浄書 しています。

境内の雰囲気と人のぬくもりが調和する――これこそが、源九郎稲荷神社の魅力のひとつです。

手水舎

源九郎稲荷神社の手水舎は、これまで多くの著名人を迎えてきました。
歌舞伎界の若手スーパースターである
市川猿之助さん・中村勘九郎さん・尾上松也さん らがご参拝された際も、まずここで手を清め、神前へと進まれました。

実はこの手水舎、復興活動を始めた当初は屋根もなく、雨風にさらされたままの簡素な姿でした。
しかし、神社を愛する地元の方が 屋根付きの囲いを寄付 してくださり、さらに別の方が心を込めて 手づくりの杓置き を制作してくださいました。

地域の温かい支援によって少しずつ姿を取り戻してきた、源九郎稲荷神社の“復興の象徴”ともいえる手水舎です。

源九郎稲荷神社のご神殿に進む前に、まずは 祓戸(はらえど)の神様 にお参りし、日常の穢れ(けがれ)を清めていただきましょう。

古来より、祓戸大神は参拝者の心身を浄め、清らかな状態へと整えてくださる神様として知られています。
ここで手を合わせることで、源九郎さんの御神前へと進む際、よりスッと心が澄み、祈りが届きやすくなるといわれています。

境内の参拝作法として欠かせない、最初の大切なステップです。

払戸

拝   殿

源九郎稲荷神社のご神殿の手前には、参拝と神事の中心となる 拝殿 が設けられています。
季節ごとの祭礼や例祭、お正月の神事など、数々の儀式がこの拝殿で厳かに執り行われてきました。

拝殿の内部には、歌舞伎俳優 四代目・市川猿之助さん が“お忍び”でご参拝くださった際の写真や、ご縁によって 八代目・中村勘九郎さん をお迎えしたときの記念写真など、貴重な奉納写真が飾られています。

また、正月や例祭など大切な神事の日には、市川猿之助丈から奉納いただいた 特別な垂れ幕 を拝殿に掲げ、より厳粛な雰囲気の中で祭典が行われます。

さらに、当社の人気授与品である 「狐の絵馬」 は、参拝者が自分でお好きな顔を描き、願いを込めてこの拝殿に吊るして奉納します。
個性豊かな狐たちが並ぶ光景は、源九郎稲荷神社ならではの見どころのひとつです。

源九郎稲荷神社のお面
源九郎稲荷神社狛狐「巻ちゃん」

狛狐「巻ちゃん」

源九郎稲荷神社の境内には、巻物を咥えた 狛狐(こまぎつね)・巻ちゃん が鎮座しています。
巻物は古くから「知恵」と「学問」の象徴とされ、巻ちゃんは 子どもたちに知恵を授けてくれる狐 として親しまれています。

しかし最近の子どもたちは少し現実的(?)で、
「賢くなるより金持ちになりたい!」
と言いながら、金運の象徴である“珠ちゃん”のほうへ撫でに行くことが多いのも微笑ましい光景です。

巻ちゃんは体格がよく、堂々とした姿でありながら、表情はとても穏やか。
その落ち着いた佇まいからは、
「源九郎稲荷の眷属をまとめるボス」
といった風格すら漂っています。

参拝の際には、ぜひ巻ちゃんのやさしい表情にもご注目ください。
知恵と導きを授けてくれるといわれる、神社の守り狐です。

狛狐「巻ちゃん」

境内には、宝珠をしっかり咥えた 狛狐(こまぎつね)・珠ちゃん が鎮座しています。
宝珠は「富」「幸運」「ご利益」の象徴とされ、珠ちゃんは お宝と金運を授けてくれる狐さん として、子どもから大人まで人気の存在です。

子どもたちには
「この狐さんは、お宝や幸運を届けてくれるんだよ」
と伝えているのですが、最近の子どもはとても正直で、
「賢くなるより金持ちになりたい!」
と言いながら、知恵の巻ちゃんよりも珠ちゃんを一生懸命撫でに来ます。

そんな微笑ましい光景が日常的に見られるのも、源九郎稲荷神社の魅力のひとつです。

また、珠ちゃんの 片耳が半分だけ なのには、昔からの言い伝えがあります。
昔、勝負運を求めて訪れた博打うちが「縁起を担ぐ」と言って珠ちゃんの耳を削り取り、お守りのように持ち帰ってしまったのだとか。
それほど強い運気が宿る存在だと信じられていた証ともいえるでしょう。

金運のご利益を願う参拝者には欠かせない、源九郎稲荷神社の人気者です。

源九郎稲荷神社狛狐「珠ちゃん」

神 殿

源九郎稲荷神社の神殿前には、扉を守るように 二匹の白狐(びゃっこ)さん が静かに座しています。
この白狐さんたちは長い年月の中でさまざまな受難をくぐり抜けており、右側の狐さんは現在、お鼻が欠けた状態になっています。
(この経緯は「源九郎稲荷神社 奮闘記録」に詳しく記載しています)

さらに、神殿中央に祀られている 御神鏡(みかがみ) も、ここへ落ち着くまでには少しドラマがあります。
鏡の移動やお祀りの過程でのエピソードも「奮闘記」に記されており、復興に携わった人々の想いがそこに宿っています。

今では、白狐さんも御神鏡も 本来あるべき場所におさまり、穏やかな気を放ちながら鎮まっておられます。
参拝者を迎え、静かに神殿をお守りする姿は、源九郎稲荷神社ならではの神聖さを感じさせる光景です。

源九郎稲荷神社の境内に咲き乱れる季節のお花たち

源九郎稲荷神社には、季節ごとに、語り部氏の奥様が育てているお花が境内を彩ります。是非、お花のギャラリーに足を運んでください  >>境内のお花のギャラリーはこちら>>

春に咲くお花たち

源九郎稲荷神社の中村勘九郎桜

夏に咲くお花たち

源九郎稲荷神社に咲いている花「あじさい」

秋に咲くお花たち

源九郎稲荷神社に咲いている花「ひがんばな」

冬に咲くお花たち

源九郎稲荷神社に咲いている花「さざんか」