天地開闢のときに現れた天津神さま達ご一同は、神世七代(かみよななよ)の一番最後に生まれた夫婦神の
イザナギとイザナミの二神
に、「この漂っている国土を整え固めて完成せよ」と命じられました。
そして、二神に
天の沼矛(あめのぬぼこ)
を授けました。
「天の沼矛」というのは、玉飾りのある矛だそうです
二神は、
天の浮橋(あめのうきはし)
の上に立ち、その矛を下ろして、くらげのような国土が漂っている海水をころころと掻き鳴らして引き上げました。
すると、矛の先からしたたり落ちた塩が積もって島になりました。
これが、
日本の最初の島である淤能碁呂島 (オノゴロ島)
です.
オノゴロ島の名の由来は、
自ら固まった島
だからとされていますが、
二神が天沼矛でかき混ぜるときに、
コオロ、コオロ
と掛け声を掛けたことにちなむとも言われています。
完全なお伽噺ですが、このオノゴロ島の比定地については、真剣に論争があるのです。
お伽噺の裏に隠されたものが何か?
見方を変えるとロマンがあって素敵だと思います
イザナギ、イザナミはこの生まれたばかりの島に降り立って、神聖な柱を立て、広い八尋殿(やひろどの)という荘厳な御殿を建てました。
そして、二神の国生みが次々と始まって行くことになるのですが・・・・
その前に、今回は、このイザナギ、とイザナミの名前の由来について触れたいと思います。
二神に共通する
「イザナ」
という語源ですが、これは
「誘う(いざなう)」
の語幹であると考えられています。
「キ」は男性
「ミ」は女性
を意味します。
つまり、この二神の名前は、
男女が誘い合って子宝に恵まれることを暗示した神名
ということになります。
この二柱は、
生殖や生産を象徴する神様
と言えるわけです。
また、
「いさ」は「功徳」の意の「功(いさを)」の語根とする(白鳥庫吉)説もあります。
神世七代の最後に登場する神様でありますが、その起源は極めて古いとと考えられており、
記紀神話はイザナギとイザナミが本編であり、
造化三神からイザナギ・イザナミまでの話は、この国生みの話を引き出すための序章と考えられています。